今週の明言

東大と“産学協創”を推進するNEC社長の決意

松岡功 2016年09月23日 11時12分

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 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、NECの新野隆 代表取締役 執行役員社長兼CEOと、アマゾンウェブサービスジャパンの瀧澤与一 エンタープライズソリューション部長の発言を紹介する。

「日本の競争力強化に向けて東京大学と“産学協創”を推進していきたい」
(NEC 新野隆 代表取締役 執行役員社長兼CEO)

NECの新野隆 代表取締役 執行役員社長兼CEO
NECの新野隆 代表取締役 執行役員社長兼CEO

 NECと東京大学が先ごろ、戦略的なパートナーシップに基づく産学協創の取り組みを開始すると共同で発表した。新野氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今回の取り組みによって日本の競争力強化に貢献していきたいとの決意を語ったものである。

 両者による今回の取り組みの特長は、組織対組織の合意のもと、高度な基礎研究の実施からその研究成果の社会実装までのビジョンや課題の共有、社会実装の際の社会受容性の検証、さらに将来を担う人材の育成を含めて、総合的な産学協創を推進する点にある。

 具体的には、「両者の経営層がこの取り組みの運営に直接関与して大規模に投資を行い、革新的な研究開発を実施し、NECが社会実装を推進」「両者の人材ネットワークを活用した超一流研究者の集結」「社会実装に向け、総合大学である東大の特性を生かした文理融合での倫理/法制度・社会受容性の検証」「奨学金とインターシップを活用した優秀な人材の育成と輩出」を行っていくとしている。

 第一弾の活動として、社会への影響力が大きい人工知能(AI)の分野に焦点を定め、「NEC・東京大学フューチャーAI研究・教育戦略パートナーシップ協定」を締結し、具体的な活動を進めていくという。

 新野氏は会見で今回の取り組みの背景について、「従来の産学連携では、個別技術に関する限定的な共同研究が中心で、イノベーションや社会貢献における成果のインパクトは小規模なものにとどまっていた。これからのイノベーションや社会価値創造に寄与するためには、共同研究の実施に加え、その成果の社会実装を意識した倫理・法制度の検討や人材育成を含めた大規模で広域な産学間での連携が必要となり、その実施方法も従来と抜本的に異なる新しい対応が必要となる」と説明。

 そのうえで、「こうした新しいモデルの産学協創を行うためには、お互いの経営層の深い関与と組織的な対応が不可欠となる」と強調した。

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