今週の明言

東大と“産学協創”を推進するNEC社長の決意 - (page 2)

松岡功

2016-09-23 11:12

 会見には、NECから新野氏および取締役 執行役員常務兼最高技術責任者(CTO)の江村克己氏、東京大学から総長の五神真氏および大学執行役・副学長、産学協創推進本部長の渡部俊也氏が登壇。新野氏に続いて説明に立った五神氏も「知の協創の世界拠点の形成に向け、NECとの総合的な産学協創に大いに期待したい」と意欲を示した。

左から、NECの江村氏、新野氏、東京大学の五神氏、渡部氏
左から、NECの江村氏、新野氏、東京大学の五神氏、渡部氏

 新野氏の冒頭の発言にもあるように、会見では両者から「日本の競争力強化に向けて」という言葉が幾度も聞かれた。果たしてどのような画期的な成果が生まれてくるか、大いに注目しておきたい。

「AWSのお客様の多くはクラウドの利用範囲を着実に広げている」
(アマゾンウェブサービスジャパン 瀧澤与一 エンタープライズソリューション部長)

 アマゾンウェブサービスジャパンが先ごろ、米Amazon Web Services(AWS)が提供するクラウドサービスの最新動向に関する記者説明会を開いた。同社の技術本部エンタープライズソリューション部長でシニアソリューションアーキテクトを務める瀧澤氏の冒頭の発言はその会見で、最近のAWSユーザーの利用動向について語ったものである。

 今年で創業10周年を迎えたAWSが提供するクラウドサービスは、今や世界中で35カ所のアベイラビリティゾーン(データセンター群)を展開し、100万人を超えるユーザーが利用しているという。AWSの2016年12月期の売上高は110億ドルと予想されており、クラウドサービスベンダーとして初めて100億ドルを突破することになりそうだ。

2016年で創業10周年を迎えたAWSのクラウドサービスの歴史
2016年で創業10周年を迎えたAWSのクラウドサービスの歴史

 サービスとしては現在70を超えるポートフォリオを形成しており、それらの機能の追加や改善については2015年で722の機能に及び、2016年も8月1日時点で524の機能が追加・改善されているという。

 また、今回の会見では、8月にニューヨークで開催された「AWS Summit NY」で発表されたサービスから、リアルタイムのストリーミングデータの処理や分析を可能にする「Amazon Kinesis」、コンテンツベースのルーティングを可能にする新たなロードバランサー「Application Load Balancer」などの内容が紹介された。

技術本部エンタープライズソリューション部長でシニアソリューションアーキテクトを務める瀧澤氏
技術本部エンタープライズソリューション部長でシニアソリューションアーキテクトを務める瀧澤氏

 瀧澤氏の冒頭の発言は、会見の質疑応答で、最近のAWSユーザーの利用動向について「インフラだけでなく、AWSが提供するさまざまな機能を付加して利用する形が増えているのか」と問われ、次のように答えた内容のエッセンスである。

 「クラウドを初めて利用したり、開発環境として利用しようというお客様は、インフラを中心としたシンプルな使い方から始めるケースが多い。だが、AWSサービスのメリットを享受されると、お客様の多くがさまざまな機能を付加して利用するようになってきている。こうした状況をわれわれは“クラウドジャーニー(クラウドへの旅路)”と呼んでいるが、まさしく多くのお客様がクラウドジャーニーにまい進していると実感している」

 AWSではIaaSやPaaSという言葉を使っていないが、瀧澤氏のコメントから、AWSサービスの利用がIaaSだけでなくPaaS領域にも着実に広がっていることがうかがえた。「クラウドジャーニー」という言葉には、AWSのそうした事業戦略の意味が込められているとも見て取れそうだ。

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