インフィネラ・ジャパンは、データセンター事業者や通信事業者に向けて、データセンター間を光ファイバで接続する通信機器の新製品「Cloud Xpress 2」を12月から出荷する。9月21日に発表した。ICチップを刷新して、既存製品「Cloud Xpress」よりも省スペースながら性能を高めている。2017年のソフトウェアアップデートでレイヤ1暗号化も予定する。
Cloud Xpress 2は、2カ所のデータセンター同士をネットワーク対向型で光ファイバで接続する通信機器。1Uラックマウント型のきょう体に、光ファイバ接続用ポートと、12個の100GbEポートを搭載する。これ1台で、光ファイバの信号を12分割し、100GbEポート同士をつなげられる。ちょうど、100GbE用のメディアコンバータを12台並列で用意するのと同じことができる。
スモールスタートが可能で、100GbE×2を使った200Gbpsから、400Gbps、600Gbps、800Gbps、1Tbps、1.2Tbpsの6段階でライセンスを購入できる。定価は、最小構成となる200Gbps時が2000万円強で、きょう体1台の最大構成となる1.2Tbps時が約7000万円となる。
1.2Tbpsを超える伝送容量が必要な場合は、1本の光ファイバを使いつつ、最大で23台までCloud Xpress 2をスタック接続する使い方が可能だ。この時の伝送容量は、100GbE×12×23で、27.6Tbpsになる。1本の光ファイバの波長を276分割して、それぞれの100GbEに割り当てる形になる。
Cloud Xpress 2の特徴を、インフィネラ・ジャパンでカントリー・マネージャを務める秋元正義氏は「1Uラックマウントの小型サイズでありながら1.2Tbpsと高い伝送容量を持ち、1Gbpsあたりの消費電力が0.57Wと低いこと」と説明する。既存製品のCloud Xpressとの比較では、ラックユニットあたりの伝送容量が4.8倍に、電力効率は約2倍に向上している。
セキュアにデータセンター間をつなぐための機能として、光伝送装置でありながら暗号化機能も備える。12月から出荷する初期版では、レイヤ2(MACsec)の暗号化が可能。Ethernetフレーム内のユーザーデータを暗号化する。2017年第2四半期までに予定しているソフトウェアのアップデートでは、レイヤ1の暗号化も予定する。
簡単に設置して使い始められるようにしている。例えば、光信号を増幅するアンプをきょう体内に内蔵している。内蔵アンプは、データセンター間の距離に応じて自動的に増幅の度合いを調整するという。100kmを超える距離で通信できるという。また、コントローラを内蔵しており、ネットワークを介した自動設定機能やウェブ管理画面などを利用できる。NETCONF/YANGによる設定もできる。
Cloud Xpress 2(ファーストモデル「CX1200F」)の外観(インフィネラ提供)