米Microsoftは米国時間9月26~30日、米国アトランタでインフラ運用管理者向けのテクノロジにフォーカスした技術イベント「Microsoft Ignite」を開催している。26日の1回目のキーノート(初日には2回のキーノートが設けられた)では、同社 Executive Vice PresidentのScott Guthrie氏が登壇し、「Azure Stack Technical Preview 2」のリリース、「Windows Server 2016」と「System Center 2016」の一般提供(GA)をアナウンスした。
「Windows Server 2016」と「System Center 2016」が一般提供(GA)
「Windows Server 2016はクラウドレディなサーバOSで、Azureのノウハウが含まれている。コンテナをサポートし、Dockerエンジンを無償で利用できる」(Guthrie氏)
また、Azureの新しい管理サービスとして「Azure Monitor」が発表された。「ハイブリッドクラウド環境でのサービス管理向けに、Windowsマシン、Linuxマシン、VMware、Hyper-V、ベアメタルサーバを、Azure上のサーバ群と合わせて統合管理できるようにした」(Guthrie氏)。Azureポータル上から「Monitor」をクリックすると、クラウドとオンプレ両方のサービスの稼働状況を表す各種指数、アップデート状況、サービスの異常を知らせるアラートを一覧で確認できる。
Azureの新しい管理サービスとして「Azure Monitor」
Windows 10とOfficeの新機能
Microsoft Corporate Vice PresidentのYusuf Mehdi氏は、今後12カ月間でリリースを予定しているWindows 10とOfficeの機能を紹介。Wordでは「手書きで取り消し線を引くと文字列を消すことができる機能」、OneNoteでは「手書きの関数を認識する機能」「数式の答えを教えてくれる機能」が実装される予定だ。
OneNoteでは「手書きの関数を認識する機能」「数式の答えを教えてくれる機能」が実装される予定
そして、Windows 10の新しい法人向けセキュリティサービスとして、「Windows Defender Application Guard」を発表した。この機能は、仮想化ベースのセキュリティ技術とハードウェアに組み込まれたコンテナで構成され、悪意があるコードが従業員のデバイスや企業ネットワークを移動することを防ぐ。例えば、信頼されていないブラウザセッションからWindows 10を分離するといったことができる。
ここでは、Application Guardの保護があるWindows 10と、保護のないWindows 7で問題のあるウェブサイトを閲覧するデモを実施。Windows 7のInternet Explorerでは保護されなかったのに対して、Windows 10のEdgeでは保護される様子を示した。同機能は2017年初めにWindows 10 Insider Previewとして提供される予定だ。
「Windows Defender Application Guard」
MicrosoftとAdobeが提携強化
キーノートでは、別会場にAdobeの最高経営責任者(CEO)Shantanu Narayen氏とMicrosoft CEO Satya Nadella氏が登壇し、2社の提携強化を発表した。
Microsoft CEO Satya Nadella氏(左)、Adobe CEO Shantanu Narayen氏(右)
Adobeは「Adobe Creative Cloud」「Adobe Marketing Cloud」のデータをAzureに取り込んで、機械学習サービスなどを使って分析している。「Creative Cloudは3カ月で2300億のトランザクションがあるが、Power BIで分析できるようになった」(Narayen氏)
今回の提携強化の詳細について言及していないものの、Narayen氏は「Creative Cloud、Marketing Cloudに、グローバルスケール、コンプライアンス、機械学習などが求められる」と説明しており、今後、Creative Cloud、Marketing CloudのプラットフォームにAzureを採用していくとみられる。