大谷氏:私がもっとSIやコンサルを入れたほうがいいと思うのは、「ブロックチェーンのコアな技術者を増やす」というのも大事な仕事ですが、それ以上に大事なのがスマートコントラクト(契約の自動化)の事例を増やすことだと思うからです。価値を生み出し、業務の課題を解決するためのコントラクトがたくさん生まれてこなければならないのに、そこが足りていない。例えば杉井さんのところでしたらミドルウェア「Deals4」を提供していますが、そのうえにアプリケーションが載ってこないといけない。SIは、このアプリケーションを書くことが仕事なんじゃないかと思っています。どんどんコアなところまで来たい人は、転職してもいいんです(笑)。

平野洋一郎(インフォテリア 代表取締役社長)
平野氏:言ってみれば、ブロックチェーンインテグレーションですね。既存の人たちが、いかに簡単にブロックチェーンのパワーを使えるか。そこが大事です。
朝山氏:そもそもブロックチェーンはウェブの文化から来ているので、ウェブのエンジニアレベルで使えるというのが前提だと思います。
杉井氏:エクセルからデータ連携が使えるとか、そういうレベルですよね。
平野氏:たとえばHTTPサーバをみんなが作れる必要など全然ない。使えるということで広がっているので、ブロックチェーンも同じように広がれば、上の層はいくつも作れる。
大谷氏:インターネットが出たとき「これは何をするんだろう」「(ネットワークにつながった機器を遠隔操作するためのアプリケーション層プロトコル)Telnetって意味があるのか」と思った時代があるんですけど、今はそう思わない。インターネットのおかげでたくさんのウェブサイトやSNSができて、全然変わった。それがアプリケーションの世界です。
朝山氏:たぶん来年の2017年には意識をしないで恩恵を受ける時代が来ていると思います。
杉井氏:データベースの種類を気にしている人がいないのと一緒ですよね。
大谷氏:そうですよね。それが分散型なのかRDBなのかは、別にユーザーには関係ないです。