サービスという柱は、「Cortana Intelligence Suite」を軸としたものだ。Cortana Intelligence Suiteには最近、複数の新機能が搭載された。また、同社の開発者会議「Build 2016」で披露されたボット開発フレームワークによって、ユーザーはSkypeや「Slack」といったアプリ向けのインテリジェントなボットの開発をより容易に進められるようになる。
Build 2016ではコグニティブAPIも発表されたが、これはサービスという柱の重要な部分を構成するものだ。その応用例として、Uberが画像認識機能を活用し、自社のドライバーによって撮影された自撮り写真から身元を確認し、安全性を向上させているという事例が紹介された。また、VolvoがAIとカメラを連携させることで、運転者の注意が散漫になっていないかどうかを判定するという事例も紹介された。
4つの柱の最後として挙げられたインフラでは、「Microsoft Azure」に焦点が当てられていた。クラウドプラットフォームとしてのAzure上では、同社の深層学習ツールキット「Computational Network Toolkit」(CNTK)や、Googleが開発したオープンソースの深層学習フレームワーク「TensorFlow」といったインテリジェントな機能が利用できるものの、Microsoftはそれらを支えるハードウェアであるFPGA(Field Programmable Gate Array:内部の論理ゲート構成を書き換えることができるLSI)にさらに投資し、Azure内のあらゆるコンピュータノードでサポートできるようにしようとしている。Microsoftは世界で「最もインテリジェントなクラウド」を開発する道を歩んでいる。FPGAに対する同社の投資によって実質的に、Azureクラウドに「AIスーパーコンピュータ」をもたらす取り組みが加速されることになる。
まとめ
- MicrosoftはAIやインテリジェンスへの投資を継続し、エージェントとアプリケーション、サービス、インフラという4つの柱に注力していく。
- Cortanaはエージェントであり、Dynamics CRMといったアプリケーションには、知的な能力を向上させる新機能が搭載される。
- AzureはFPGAに対する大規模な投資の結果、コンピュート能力を大幅に向上させることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。