海外コメンタリー

エンタープライズで存在感増すアップルのSwift--「IBM Bluemix Runtime for Swift」リリース

Conner Forrest (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-09-30 06:30

 IBMは米国時間9月22日、同社のクラウド「IBM Bluemix」用の、業務目的での開発に使用できる「Swift」のランタイムの提供を開始したと発表した。Swiftを使用したエンドツーエンドのアプリ開発をサポートするのが狙いだ。

IBM、「Bluemix Runtime for Swift」をリリース
提供:iStockphoto/theevening

 Appleによって開発されたオープンソースのプログラミング言語Swiftは、IBMという新たな味方をつけた。今回の発表を機に、エンタープライズにおけるSwiftの採用機運とともに、エンドツーエンドの開発言語としての信頼性が高まることになるだろう。

 IBMのブログ記事によると、同社はAppleがSwiftをオープンソース化した2015年12月からサーバへの移植作業を開始したという。Bluemix版のランタイムには、「Public」と「Dedicated」「Local」というデプロイメント用のオプションが用意されている。IBMによるとこれにより、Swiftで記述されたアプリがIBMクラウドのクライアント側とサーバ側の双方でビルドできるようになるという。なお、このランタイムはSwift 3.0もサポートしている。

 Swiftはモバイル機器との親和性の高さで知られているが、この新ランタイムによってクラウド内での採用も増加するはずだ。これこそがIBMの狙いだと考えられる。

 同ブログ記事では、世界の企業幹部を対象にした調査で、72%が向こう12カ月間で少なくとも5つのモバイルイニシアティブを計画しているという結果が引用されている。また、企業幹部の42%がハイブリッドクラウドの採用を検討しているという別の調査も引用されている。

 Swift関連のニュースを集積するサイト「This Week in Swift」を運営しているNatasha Murashev氏は同サイトで、サーバ側で動作するSwiftの人気について述べるとともに、開発者らはモバイルアプリとウェブアプリの双方で利用できる言語を探し求めていたと説明している。しかし、IBMの今回の動きはモバイルとウェブという範囲を超えたものだ。

 IBMのSwift関連の成果で実際にエンタープライズが食指を動かされるのには、同社のSwift向けツールが「IBM Watson」サービス向けや「IBM Cloudant」向け、「Apache Cassandra」向けといった、新しいSwiftベースのパッケージをサポートするという点もあるはずだ。IBMの同記事には、これにより「Swiftの開発者、特にエンタープライズレベルの開発者に対してスピードとスケーラビリティ」が新たにもたらされると記されている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]