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課題解決のためのUI/UX

入退場管理のUXから考える--コストと守るべき価値のバランス - (page 2)

綾塚祐二

2016-10-03 07:00

権限の種類と鍵の管理

 物理的な鍵を使用する場合は、基本的に区別せねばならない権限(入れる人を個別に制御したい場所)の数だけ鍵を用意する必要がある。

 電子的な鍵であれば、個々人の持つ鍵のIDを利用して、「そのIDで開けられる錠はどれとどれか」を細かく登録し管理できる。一時的に権限を付与することも可能である。

 鍵の無効化も登録の変更だけで可能である。物理的な鍵を無効化するためには、その鍵で開く錠を全て変える必要があるし、また、同じ鍵が複数ある場合、その一部のみを無効にすることはできない。

 もちろん、電子的な鍵の場合はIDが増えた際の登録の手間や、適切な登録状態になっているかどうかの管理のコストは大きくなる。また、個々のユーザーにとってもどういう権限があるかがわかりづらくなるので、あまり複雑な状態は避けたほうがよい。

 たとえ1つのID付きカードで全てまかない得るとしても、特殊な権限のためには普段とは別の手段を用意し、「普段とは違う」というのを意識させやすくするというのも、安全性を高めるために検討すべきUX的観点の項目である。

退場の管理

 入場・入室の際だけでなく、退場・退室の際にもカードキーを使用することとすれば、そのカードキーの保持者が中にいるかどうかを把握することができる。

 その場合はもちろん、誰かが開けた扉を、他の人がキーを使用せず通る(テールゲーティングと呼ばれる)ことを禁ずるというルールが徹底されることが必要である。

 自動改札機のようなゲートであればほとんどの場合そうなっているし、部屋の扉のようなものの場合でも、厳しく管理せねばならないような場所では、通過する人数を認識し使われたキーの数を合わなければ警報を鳴らすようになっていたりする。

 ユーザーの手間は確実に増え、また、部屋の扉などの場合には入室側、退室側双方の認証器を使いやすい位置に備えるのは(特に後付の場合)空間的な制約もあってなかなか難しい。

 通過する人数を確認するためにはさらに空間的な余裕が必要になる。キーを使わない、ボタンを押して解錠するようなタイプでも、わかりづらい・押しづらい場所にボタンが配置されていて使いづらいという話をよく聞く。

 使いづらい位置にある認証器や解錠ボタンは、人の流れ、動線を乱すという意味でも好ましくないUXを生じる。些細な部分と思われるかもしれないが、1日に出入りする延べ人数を考えると、積み重なって意外と大きな影響を及ぼすとも言える。

 適度な手間は前述のように(セキュリティなどを)「意識させる」という効果を出し得るが、過度な手間はかえって注意を逸らされたり、逆に無意識化、形骸化しやすかったりしてしまう。その加減は繊細であり、注意深くデザインされなければならない。

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