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ブロックチェーンの実用性--金融本番環境で実験 - (page 3)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2016-10-11 07:00

--今回の実証実験ではトランザクションの置換えが可能だったという結果でしたが、どのようなメリットがありましたか。

 導入コストや運用コストの低さに加え、新たにネットワークを組んで、しっかりしたデータを残せるという点もメリットと感じました。

 今回、実証実験を行ったミャンマーという国はインフラはまだまだ整っていなくて、企業のIT投資ができないという状況です。しかもBC FinanceはITに明るい企業とはいえず、パッケージ製品を使っていて、19の支店ごとにデータベースがあるわけです。そのデータのレプリカの受け渡しさえ、うまくいかないという状況もありました。

 どこまでシステムの可用性を求めるのかということもあると思います。現在マイクロファイナンスで回っているシステムに、日本のメガバンクのような堅牢なシステムを作ることは現実的ではない。そこでBC Financeは、ブロックチェーンを適用し、低コストで安全なシステムを実現することを考えているようです。そうすることで、データのレプリカの受け渡しといったリスクをなくすことができます。

 ミャンマーの場合は、ネットワークは決して遅くはない、ウェブブラウジングなどなら日本と変わらないという印象です。一方、APIである程度の負荷をかけるようなことをすると、レイテンシの問題が出てきます。今回の実証実験では、それを回避するためにAzureはシンガポールと香港を経由させたのですが、それでも不安定でした。それでAPIや初期構造の段階で、数十分で終わる作業に数時間かかったこともありました。

--今回の実証実験の総括は。

 ブロックチェーンはあくまでも基礎技術で、まだ周辺に作らなければいけないものがたくさんある。「これさえ入れれば解決する」という話ではありません。

 ただ、RDBやSQLサーバにもベンダーそれぞれの強みがあるように、ブロックチェーンにも特徴はあり、それぞれの特徴をきちんと組み合わせて使っていかなければいけないということは強く感じました。実装自体はそれほど難しくないので、ブロックチェーンが有効な部分にうまく当てはめていくという部分が、今後の課題になってくるのではないかと思います。

--実証実験が終わって、次のステップや今後の展開は。

 今のところはノープランです。実証実験が完了して、結果を吟味して、この先をどうするかという話になるでしょう。対象とする支店を増やした実証実験を実施するかも知れません。現地のSIerと提携するようなことも一案です。サービスに落とし込むための提携ですね。ただ、まだ検討の段階です。

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