編集部からのお知らせ
新着記事まとめ「6G始動?」
新着PDF:「2021年注目テクノロジー」
日本株展望

1ドル100円ならば今期最終利益は小幅増益と予想 - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-10-04 14:47

1ドル100円に対する恐怖は低下

 (1)~(7)の中で、日本株に一番大きな影響を与えたのは、円高への恐怖だ。昨年度(2016年3月期)の平均為替レートは、1ドル120.04円だった。一気に20円近く円高が進んだ今年度(2017年3月期)は、円高が企業業績の大きな減益要因となっている。

 1ドル110円まで円高が進んだ時、「1ドル100円まで円高が進んだら、企業業績はぼろぼろになって日経平均は1万3000円まで下がる」との予想も出ていた。ところが、今は1ドル100円程度ならば、日本の企業業績(全産業ベース)は大幅減益にならないで済むと考えられている。

東証1部上場3月期決算主要1377社の今期(2017年3月期)業績(会社予想)

(注:楽天証券経済研究所が作成)
(注:楽天証券経済研究所が作成)

 上記の表から、今期の企業業績予想の推移を見てほしい。時間とともに、少しずつ業績が下方修正されている。これから始まる9月中間決算の発表時に、さらに下方修正されるだろう。今期の業績前提をまだ1ドル105~110円としている企業が多いからだ。1ドル100~105円を前提に今期業績を計算し直すと、業績見通しを下方修正しなくてはならない企業が増えるだろう。

 ただし、下方修正後でも、今期(全産業ベース)連結経常利益は1桁の減益に留まり、連結純利益(最終利益)は増益を維持できると予想されている。

 1ドル100円近くまで円高が進んだ割には企業業績は堅調と言える。円高が減益要因となる一方、資源価格下落の恩恵が増益要因として効いてくる。前期(2016年3月期)は、資源価格急落ショックで日本企業の業績は悪化した。今回は、資源価格が持ち直したことで、急落ショックによる特別損失が無くなることに加え、原料価格の低下が日本の企業業績を押し上げる。

 個別企業ではネガティブ・サプライズ(悪くて驚き)となる大幅下方修正もあるだろうが、全産業ベースでは大幅な下方修正とはならないと予想されている。

1ドル95円になると厳しい

 1ドル100円に対する恐怖は低下しつつあると思われるが、1ドル95円の円高までは織り込んでいないと思われる。為替市場では、1ドル100円までで円高が終わるか、予断を許さない状況だ。

 鍵を握るのは日米金融政策だ。米国FRBが年内に利上げし、日銀が追加金融緩和するならば円安への転換が見込める。ところが、米国FRBが年内利上げできず、日銀は追加緩和できない可能性もある。その場合、1ドル100円を割れる円高が進む可能性もある。

 窪田氏は、12月に米利上げが実現するものの、日銀は追加緩和できないと見ているという。日銀は、国債の買い入れ額を減額する可能性も示唆し始めており、量的緩和の出口を模索しているとの見方が広がる可能性すらある。日銀の量的緩和が限界との見方が広がれば、円高要因となる。

 また、窪田氏は、米利上げが12月に実現すれば、日米の短期金利差が拡大するので、日銀の量的緩和は限界との見方が広がっても、円高圧力は低下に向かうと予想しているという。

米大統領選も要警戒

 今回挙げたリスク要因の中で、もう1つ気になるのが11月の米大統領選だ。反資本主義、反グローバル主義の過激発言を繰り返すドナルド・トランプ氏が大統領になれば、世界の株はショック安となる可能性もある。

 現時点で、ヒラリー・クリントン氏が大統領になる可能性が高いと考えられるが、そう決め付けることはできない。今後の、クリントン・トランプ両候補の支持率の推移を注意して見ていく必要がある。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]