え、台場に? AI時代のインフラエンジニアに向けて「Tech Summit」上陸

ZDNET Japan Staff

2016-10-05 08:19

 Windows Server 2016の一般提供(GA)、Azure Stackのアプライアンスお披露目、そしてMicrosoft 最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏が“AI(人工知能)駆動のデジタルトランスフォーメーション”を語った「Microsoft Ignite」(米アトランタで9月26~30日に開催:関連記事123)。そのIgniteの日本版イベント「Tech Summit 2016」が11月1~2日に東京・お台場で開催される。

 Tech Summitは、日本マイクロソフトが、インフラ運用管理者をメインターゲットとして実践的な内容を紹介する技術イベントだが、アプリケーション開発者向けや、開発者と運用管理者の双方に向けたDevOps関連など、幅広いテーマで全6トラック・計100以上のブレイクアウトセッションを用意している。各トラックのオーナー6人に、それぞれの見どころをきいた。

Deep LearningでAzureのGPUインスタンスを使いこなす


 日本マイクロソフト エバンジェリズム統括本部 テクニカル エバンジェリスト 井上大輔氏(「データの蓄積、収集と分析」トラックオーナー)

 「データの蓄積、収集と分析」トラックでは、SQL Server 2016とそのクラウド版であるAzure SQL Databaseの実践テクニックの紹介に加えて、Power BIやSQL Data Warehouseを使ったデータ分析の高速化・データの加工について、デモを中心としたセッションが設けられている。

 日本マイクロソフトの名物エバンジェリスト・ジニアス平井氏によるSQL Server 2016/SQL Databaseの開発系機能にフォーカスしたデモセッションは見応えがありそうだ。

 また、8月に満を持してプレビュー版がリリースされたAzureのGPUインスタンス「N-Series」をDeep Learningに活用するためのデモも予定されている。ここでは、N-SeriesのGPU開発元であるNVIDIAの佐々木邦暢氏が登壇する。

<トラックオーナー井上氏のおすすめセッション>

  • DAT002「Effective Deep Learning with NVIDIA GPU」
  • DAT004「開発者に捧ぐ『SQL Server 2016 & Azure SQL Database』」

ハイブリッドクラウド時代のID管理を考える


日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 窪田彰子氏(「セキュリティ&モビリティ」トラックオーナー)

 「セキュリティ&モビリティ」トラックでは、Windows 10から、Office 365、Windows Server 2016、Azureまでの横断的なセキュリティについて紹介する。クライアントもオンプレミスのサーバもパブリッククラウドとの連携が避けられない時代、IT運用管理者が特に意識しなくてはいけないのは複雑なインフラ環境におけるIDの保護だ。Azure Active Directory(Azure AD)の展開や活用事例についてのセッションは、これからの時代のID管理を考えるよい機会になるだろう。

 特に、日本マイクロソフトの“セキュリティ番長”こと蔵本雄一氏のセッション「セキュリティマニアックス クライアント編/インフラ編」にも期待が高まる。きっと会場を笑いの渦に巻き込むに違いない。

<トラックオーナー窪田氏のおすすめセッション>

  • SEC003「セキュリティマニアックス ~インフラ編 サイバー攻撃からビジネスを守る!~」
  • SEC007 「リスクに応じてアクセス制御 ~Office 355/SaaS アプリへの安全なアクセスを実現するには」
  • SEC008 「Azure AD でクラウドの認証基盤を統合したいけど、IDの安全性はどう確保する?」
  • SEC011「セキュリティマニアックス ~クライアント編 Windows 10 vs Windows 7~」

Dynamics 365のお披露目とOffice 365展開の泥臭い話


 日本マイクロソフト デベロッパーエバンジェリズム統括本部 エバンジェリスト 松崎剛氏(「生産性とワークスタイルの変革」トラックオーナー)

 「生産性とワークスタイルの変革」トラックでは、Office 365の大規模エンタープライズでの展開に関する“泥臭い”話を紹介するという。

 日本マイクロソフトのパートナー企業が、ここ2年で蓄積したOffice 365大規模展開のノウハウを共有するとともに、展開にあたって遭遇したトラブルと解決策、Office 365の展開機能の弱点など、「Microsoftとって聞こえがよくない内容まで、包み隠さずお伝えします」(松崎氏)

 また、いよいよ10月中旬にリリースされるDynamics 365についても、その展開と活用に関する国内初のセッションが設けられるという。

<トラックオーナー松崎氏のおすすめセッション>

  • PRD004「Office 365 における ID 統合とアクセス制御のベストプラクティス」
  • PRD010「センサーからロボットまで、全部見せます! デバイスとクラウドで実現するワークスタイルの未来」

IT管理者がつまずきやすい仮想ネットワーク設計のツボを伝授


日本マイクロソフト クラウドインフラストラクチャ技術本部 クラウドプラットフォーム技術部 部長 平谷靖志氏(「展開と管理」トラックオーナー)

 「展開と管理」トラックでは、IT管理者向けに、Windows 10、Windows Server 2016、Azureの“迅速な展開”と、Operations Management Suite(OMS)による統合管理をテーマにしたセッションを用意する。

 Azureの展開にあたってIT管理者がつまずきやすい仮想ネットワーク設計のツボ、「Pupett」「Chef」などオープンソースのオートメーションツールを使った展開、OMSによるハイブリッドクラウド環境のログアナリティクス手法など、IT管理者が明日から使える実用的な知識を得ることができるそうだ。

 トラックオーナー・平谷氏のおすすめは、OMSのログ解析機能についてのセッション。「インフラのログアナリティクスは従来とても時間のかかる作業だったが、OMSでは、オンプレ、仮想環境、クラウドのログを一元的に管理し、半自動的に分析してすぐに結果を得ることができます」(平谷氏)

<トラックオーナー平谷氏のおすすめセッション>

  • DEP002「OMS Log Analyticsによる大量ログの分析方法の解説と実演」
  • DEP005「Azureネットワーク設計と運用のツボ」

OpsイベントだけどDev向け情報も濃縮してお届け


日本マイクロソフト デベロッパーエバンジェリズム統括本部 エバンジェリスト 高橋忍氏(「アプリケーションプラットフォーム」トラックオーナー)

 Tech SummitはどちらかというとOps寄りのイベントなのだが、Dev向けの尖ったセッションも予定されている。そんなDev向けセッションを詰め込んだのが「アプリケーションプラットフォーム」トラックだ。Visual Studio、Xamarinなどの開発ツールの新機能、DevOpsの実践、OSS化された「.NET Core」を中心にした.NET Frameworkの今後のロードマップなどが話される。

 やはり、注目はXamarinだろうか。今回のTech Summitではイベント用にモバイルアプリケーションを提供しているが、これはXamarinで開発され、システムはAzure上で稼働している。このモバイルアプリケーションを開発したベンダーのエンジニアが登壇し、Xamarinの使い勝手を語るセッションは面白そうだ。

 また、Xamarinと言えば、5月の「de:code 2016」で華麗にデビューした“ちょまど”こと千代田まどか氏。Tech Summitでは初の単独セッションを持ち、XamarinとAzureで提供されているモバイルサービスを使って、できるだけ簡単にモバイルアプリを開発するデモを披露する。

<トラックオーナー高橋氏のおすすめセッション>

  • APP002「DevOps 2.0-より進化したMicroservices環境における自動化の全技術」
  • APP005「XamarinとAzureで、超効率的に、クラウドと繋がるモバイルアプリを作ろう!」
  • APP010「【Xamarin 開発の真実】イベントアプリの中身、すべてお見せします」
  • App-006「OS シェアトップの今だから! Windows 10 の UWP アプリケーションの全てポイントを 50 分でチェックする!」
  • App-013「ここはあえて紙とペン! Value Stream Mapping で開発サイクルの無駄を炙り出せ!」

Azure Stackアプライアンスの実機を見に行こう


日本マイクロソフト デベロッパーエバンジェリズム統括本部 エバンジェリスト 高添修氏(「クラウドインフラストラクチャ」トラックオーナー)

 今回のTech Summitで一番セッション数が多いのは、「クラウドインフラストラクチャ」トラックだ。それもそのはず、Azure全般のセッションはすべてこのトラックに詰め込まれているほか、AzureとWindows Server 2016の連携や、Azure Stackの紹介もこちらで行われる。

 Azureについては、コンテナ、ブロックチェーン、Spark on Azureなどの実践的なテクニックをクラウドアーキテクトやインフラエンジニア向けにデモを交えて解説する。CSA真壁徹氏のセッション「コンテナ Go ~あなた好みのコンテナを捕まえる~」など、もうタイトルだけで見に行きたくなってしまうだろう。

 そして、今回注目すべきは、Igniteでテクニカルプレビュー2(TP2)が発表された「Azure Stack」のセッションだ。Azure Stack担当エバンジェリストの高添氏が、TP2の機能や、Azure Stackの展開について「話せることはすべて話す」そうだ。展示ブースには、Azure Stackアプライアンスの実機が設置される予定なので、こちらにも足を運びたい。

<トラックオーナー高添氏のおすすめセッション>

  • CLD001「Microsoft Datacenter Platform Vision & Strategy」
  • CLD006「Azure VNet & Express Route 最新情報」

 

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