対応できる開発者の育成、アプリ実装の検証こそが未来の鍵
古くから存在する、基礎的な技術を非常に上手に組み合わせたブロックチェーンの仕組みは、社会にインパクトを与える基盤となり得る、多くの可能性を秘めています。
しかし、ブロックチェーンの世界は、6月に起こったThe DAOの事件などクラッキングによるブロックのロールバック(関連記事)などさまざまな失敗も経験しています。
ブロックチェーンは今、発展途上の技術であり、大きな社会実証実験の中で、失敗による経験を積み重ねている段階と言えます。
加えて、その仕組みを基にしたソフトウェアのアイデア、ブロックチェーンを検証する中で、今までとは違う特徴に苦労する開発者も多いでしょうし、アイデアを実現しようとした際に法律の壁に直面するケースも出てくるでしょう。
今後求められるのは、この技術を正しく理解して、市場の開拓と共にアイデアと仕組みをつくり、運用経験を積み上げることを失望せずに続ける開発者、理解のある企業、関連法令を整備する国家機関です。
ブロックチェーンは、この技術特性と利便性によって、従来の日々の不便な仕組みを根底から覆し、多くの利用者の支持を獲得し、生活を変えていく重要な基盤となる可能性があります。今後の進展がとても楽しみな技術です。
- 廣瀬一海
- 愛称「デプロイ王子」。1997年からOSSやLinuxを活用し、主にインターネット向けサーバシステムの設計や無停止設計、分散設計と構築などを担当する。日本医師会総合政策研究機構(日医総研)客員研究員、日本コンピューター、pnop CTO、アイレット クラウドパック事業部 シニアソリューションアーキテクトを経て、2015年12月から日本マイクロソフトのクラウドソリューションアーキテクト。2012年/2013年/2014年/2015年にMVP Award Program Microsoft Azure受賞。