安川情報システムと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月4日、SAPジャパンの次世代ERP「SAP S/4HANA」について、トータルなクラウドサービスの提供で協業すると発表した。
協業では、基幹系システムの運用支援を目的とした安川情報システムの「グローバルサービスセンター(GSC)」サービスと、CTCが提供する基幹系システム特化型クラウドサービス「CUVICmc2」を組み合わせ、インフラからSAP S/4HANAの運用サポートまで提供する。両社で連携して本日からサービス展開を開始し、1年間で10社への提供を目指す。
サービス対象別の役割分担
安川情報システムは、約40年間で培った基幹系システムの構築・運用ノウハウを生かし、4月に顧客の基幹系システムについてアプリケーションの稼働監視やヘルプデスクを提供するGSCを開設した。SAPソフトウェアに関しては、主に製造業の顧客向けにSAP ERPの移行や既存システムとの連携サービスも提供しており、SAP認定コンサルタントが顧客のSAP S/4HANA運用をサポートする。また自社でも、社内基幹業務システム(SAP S/4HANA)をCUVICmc2上で開発中。
CTCのCUVICmc2は、SAPソリューションを始めとするミッションクリティカルなシステムに特化した基幹系特化型クラウドサービス。パフォーマンスに対する保証、高セキュリティ、実使用量による従量課金を同時に実現しており、オンプレミスの基幹系システムに比べて20~50%のコスト削減が期待できるとともに、ミッションクリティカルな業務に対応できる堅牢性と安全性を特徴とする。なお、CTCはSAPのサービスプロバイダー認定「SAP Certified in Hosting Services」と「SAP Certified in Cloud Services」も取得している。
このGSCサービスとCUVICmc2を組み合わせたことで、ユーザー企業はSAP S/4HANAのクラウドでの利用に際し、インフラやアプリケーションへの投資コストを抑制しつつ、システムの運用をアウトソースして主要業務に集中することができるようになるという。