さとうなおきの「週刊Azureなう」

【Azureなう 10/7号】Igniteアップデート(前編) - (page 5)

佐藤直生

2016-10-07 15:00

Azure Virtual Network:NICのMACアドレスの固定化

 従来は、VMの作成時にNICに割り当てられるMACアドレスは、再起動やメンテナンスがあっても維持されていましたが、VMが「停止済み(割り当て解除済み)」状態になった後に起動すると、異なるMACアドレスになっていました。

 今回、「停止済み(割り当て解除済み)」になった際も含めて、MACアドレスが維持されるようになり、不要なNIC情報が増えてしまう問題も解決しました。また、NICの順序も維持されるようになっています。

 この改善は、実は8月頃には実装されていたのですが、Ingniteで初めて広く紹介されたので、ここでも取り上げています。固定MACアドレスに依存したしソフトウェアライセンス認証の仕組みがある場合など、MACアドレスの固定化が必要な場合があるので、これは嬉しいですね。

 詳細は、Japan Azure Technical Support Engineers' Blogのポスト「MAC アドレスの固定化」、Igniteセッション「Microsoft Azure networking: new network services, features and scenarios」をご覧ください。

Azure Virtual Network:セカンダリNICの改善

 VMは、必須のプライマリNICと、オプションで1つ以上のセカンダリNICを持つことができます。今後数週間のうちに、これまでできなかった、セカンダリNICへのパブリックIPアドレスの割り当てや、ロードバランサのバックエンドへのセカンダリNICの追加が可能になる予定です。

 詳細は、Azure Blogのポスト「Azure Networking announcements for Ignite 2016」、Igniteセッション「Microsoft Azure networking: new network services, features and scenarios」をご覧ください。

Azure Virtual Network:NICごとの複数IPアドレスがパブリックプレビューに

 今後数週間のうちに、VMの各NICに対して、複数(最大250)のプライベート/パブリックIPアドレスを割り当て可能になる予定です。

 すべてのプライベートIPアドレスは、ネットワークセキュリティグループ(NSG)、ユーザ定義ルート(UDR)といった機能をサポートします。複数のアプリケーション/サービスをホストしているVMで、各アプリケーション/サービスごとに固有のパブリックIPアドレスを持つことができます。ネットワーク仮想アプライアンス(NVA)は、別々のNICに複数のIPアドレスを割り当てることで、アプリケーションデータトラフィックと管理トラフィックを分離できます。

 詳細は、Azure Blogのポスト「Azure Networking announcements for Ignite 2016」、Cloud Platform News Bytes Blogのポスト「Cloud Platform Release Announcements for September 26, 2016」、Igniteセッション「Microsoft Azure networking: new network services, features and scenarios」をご覧ください。


NICの改善

Azure Virtual Network:Accelerated Networkingがパブリックプレビューに

 VMなどにプライベートネットワークを提供するAzure Virtual Networkで、Accelerated Networkingがパブリックプレビューになりました。Accelerated Networkingでは、(VMがハイパーバイザの仮想スイッチをバイパスして、ハードウェアNICと直接通信する)SR-IOV(Single Root I/O Virtualization)を活用することで、VMで最大25Gbpsのスループットを提供し、ネットワークレイテンシを最大10倍小さくします。テストでは、Accelerated Networkingによって、Azure SQL DatabaseのインメモリOLTP処理のパフォーマンスが1.5倍改善しています。

 現在、Accelerated Networkingのパブリックプレビューは、米国中西部/西ヨーロッパリージョンで、Windows Server 2012 R2 Datacenter、HPC Pack 2012 R2 on Windows Server 2012 R2、SQL Server 2016 RTM on Windows Server 2012 R2など、一連の特定のVMイメージで作成されたD15v2/DS15v2インスタンスに対してのみ利用可能です。

 詳細は、サービスの更新情報「Accelerated Networking is in preview」、Azure Blogのポスト 「Azure Networking announcements for Ignite 2016」、ドキュメント「Accelerated networking for a virtual machine」、Igniteセッション「Microsoft Azure networking: new network services, features and scenarios」をご覧ください。


Accelerated Networkingによる通信の最適化

Azure Virtual Network:VNETピアリングがGAに

 Azure Virtual NetworkのVNETピアリングは、同じリージョンにある2つの仮想ネットワークを接続し、プライベートIPアドレスを使用してトラフィックをルーティングできるようにします。

 VNETピアリングは、8月にパブリックプレビューになっていました。今回、東日本/西日本リージョンを含むほとんどのリージョンでGA(一般提供)になりました。GAに伴い、11月1日からVNETピアリングの課金も始まります。

 詳細は、サービスの更新情報「General availability: VNet peering」、Azure Blogのポスト 「Azure Networking announcements for Ignite 2016」、ドキュメント「VNETピアリング」、Igniteセッション「Microsoft Azure networking: new network services, features and scenarios」をご覧ください。


VNETピアリング

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