Azure Functions:1時間の無料試用版を提供
Azure Functionsは、C#、F#、Node.js、Python、PHPなどで書かれた関数を実行できるサーバレスアーキテクチャのコンピューティングサービスです。Azure Functionsは、現在、プレビューとして提供されています。
Azure Functionsの1時間だけ使える無料試用版は、少し前から利用可能になっていましたが、今回それを紹介するブログ ポストが公開されたので、この無料試用版をご紹介しましょう。
Azure Functionsのページで「無料で試す」をクリックします。シナリオ(タイマー、データ処理、またはWebhook + API)、言語(C#、またはJavaScript)を選択し、「Create this function」ボタンをクリックし、Microsoftアカウント、Googleアカウント、またはFacebookでログインします。

Azure Functionsの無料試用版
これで、通常はAzureポータル内で利用できるAzure FunctionsのウェブベースのUIとほぼ同じものにアクセスできます。このUIは、1時間だけ使えます。通常の環境に比べると一部機能制限はありますが、テンプレートを基にした新規関数の作成、関数の編集、実行、ログ表示、監視などを行うことができ、Azure Functionsを簡単に体感できます。

Azure Functionsの関数の編集
Azure Funtionsのフル機能を試したい場合は、1カ月で2万500円分の無料枠を使えるAzureの無料アカウント、月あたり3000円分の無料枠を毎月使えるVisual Studio Dev Essentialsをお使いください。Azure Functionsであれば、無料枠内で十分に試すことができますよ。
詳細は、Azure App Service Team Blogのポスト「Get some hands-on time with Serverless development right now, for free」、Azure Functionsのドキュメントをご覧ください。
Azure DocumentDB:Python/.NET/Java/Node.js SDKをアップデート
Azure DocumentDBは、JSONドキュメントを格納するドキュメント指向のNoSQLデータベースサービスです。
今回、Azure DocumentDBへのアクセスを助けるPython/.NET/Java/Node.js向けのSDKがアップデートされました。主な新機能は、次の通りです。
- Python SDK 2.0.0:Python 3のサポート、接続プーリング、セッション一貫性レベル、パーティション分割コレクションに対するTop/Order Byクエリ
- .NET SDK 1.10.0:パーティション分割コレクションに対する直接接続、Bounded Staleness一貫性レベルでのパフォーマンス改善、LINQでのStringEnumConverter/IsoDateTimeConverter/UnixDateTimeConverterのサポート
- Java SDK 1.9.0:パーティション分割コレクションに対するTop/Order Byクエリ、強い一貫性レベル
Node.js SDK 1.10.0:パーティション分割コレクションに対するTop/Order Byクエリ
- 佐藤直生 (さとうなおき)
- 1999年から、OracleでJava、アプリケーションサーバ、開発ツールなどのエンジニア/テクニカル エバンジェリストを担当後、2010年9月にMicrosoftに入社。Microsoft Azureの黎明期からエバンジェリスト/テクノロジストとしてAzureを担当。オライリーなどの技術書の監訳、翻訳も多数。 ブログ: https://satonaoki.wordpress.com/ Twitter: https://twitter.com/satonaoki
DocumentDB SDKをお使いの方は、最新版にアップデートして、新機能をお試しください。
詳細は、Azure Blogのポスト「Azure DocumentDB SDK updates include Python 3 support」、ドキュメント「DocumentDB APIとSDK」にある各SDKのリリースノート(翻訳が追いついていないため、現時点では英語ページ推奨)をご覧ください。

DocumentDB SDKのリリースノート
Azure IoT Hub:オープンソースのIoTHubReactライブラリをリリース
Azure IoT Hubは、数百万のIoTデバイスとバックエンドとの間でセキュアな双方向通信を実現するサービスです。
今回リリースされたIoTHubReactは、Azure IoT Hubに接続するためのオープンソースのライブラリで、Java/Scala開発者が、Azure IoT Hubに接続されたIoTデバイスのデータを読み取るためのAkka Streamsライブラリです。
ちなみに、Akka Streamsは、背圧(back pressure)制御を備えたノンブロッキングの非同期ストリーム処理を可能にする実装です。背圧とは、サブスクライバ(ここでは、IoTHubReactを使って書かれたアプリケーション)が自分の処理できる量をパブリッシャ(ここでは、Azure IoT Hub)にリクエストを送ることで、無駄なくサブスクライバが処理できる量を処理する仕組みです。
今後数カ月のうちに、さらに多くのAzure IoT Hub向けのライブラリ、サンプル、デモアプリケーションがリリースされる予定です。
詳細は、Azure Blogのポスト「Azure IoT loves Open Source」、GitHubリポジトリ「toketi-iothubreact」をご覧ください。
Azure Site Recovery:格納時のデータ暗号化機能がGA
Azure Site Recoveryは、オンプレミスの物理サーバやVMから、Azureやセカンダリデータセンターへのレプリケーションを制御するサービスです。
5月に、Azure Site Recoveryの格納時のデータ暗号化機能のプレビューがリリースされていました。これによって、オンプレミスからレプリケーションした物理マシン/VMのデータをAzure Storageに格納する際に、暗号化することが可能になります。この機能は、Azure StorageのStorage Service Encryption(SSE)機能に依存しています。
そして、9月に、Azure StorageのStorage Service Encryption(SSE)機能がGA(一般提供)になりました (関連ブログポスト、関連記事)。
それを受けて、今回、Azure Site Recoveryの格納時のデータ暗号化機能がGAになりました。セキュリティ要件が厳しい場合でも、Azure Site Recoveryを使いやすくなりますね。

Azureポータルでの、Azure Site Recoveryの格納時データ暗号化の有効化
それではまた来週。