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日本株展望

日米の企業業績は下向きなのか上向きなのか?

ZDNet Japan Staff

2016-10-14 11:15

今日のポイント

  1. 日米市場は決算発表シーズン入り。業績をめぐるニュースに株価が揺れる神経質な動きが想定される。ただ、「フォーワードルッキング」の視野で眺めると景色も変わってくる
  2. 国内市場では、東証17業種別のボトムラインをベースに増減益見通しやバリュエーションを比較。エネルギー・素材、円安メリット、インフラ関連業種の高い増益率予想に注目
  3. 米国と中国の製造業・非製造業(サービス業)のPMIどれもが50超に。2017年は主要先進国が財政出動を積極化へ。設備投資の拡大を含め、業績見通しにプラス要因に

 これら3点について、楽天証券経済研究所シニアグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。

米国の業績は底入れを鮮明にするか

 日米の株式市場はともに「決算発表シーズン」入りし、決算や業績見通しをめぐる不安感が株価の重石となるケースも見られる。米国市場では、S&P500指数ベースの2016年7~9月期のEPS(1株あたり利益)は前年同期比で小幅減益(マイナス1.6%)が見込まれている。

 ただ、「フォーワードルッキング(Forward Looking:見通し重視)」の視野に立つと、四半期別増減益率は徐々に上向き、10~12月期は6%台の増益に転じる見通しだ。2017年の1~3月期や4~6月期は、原油市況の回復を映すエネルギー業種の業績改善が全体の回復をリードしそうだ。

 年間では、2016年は微減益(前年比マイナス0.2%)となりそうだが、2017年は13.5%増益と2桁増益に転じ、予想PERは現在の18倍台から16倍台に低下する見込みだ。株式には「過去の実績より将来の変化見通しを意識する」との特性があることに注目したい。

図表1:米国市場の四半期別業績見通し


(注)S&P500指数ベースのEPS予想平均(Bloomberg集計)をもとにした前年同期比増減益率を示した。
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(10月12日)

日本市場の業績は底堅く推移するのか

 一方、国内市場の業績見通しについて、セクター(業種)別に概観してみよう(図表2)。国内では「経常利益」や「純利益(総額)」の伸びで増減益率を取り上げる事例が多いが、米国市場を中心としたグローバルスタンダード(国際標準)では、「ボトムライン(Bottom-line)」と呼ばれるEPS(1株あたり利益)の伸び率が注目されている(上記した米国の業績動向を参照)。

 こうしたボトムライン見通しをベースにすると、TOPIXは2015年の業績低迷(3.1%増益)を経て、2016年は7.7%の増益、2018年は7.8%の増益が見込まれている(Bloomberg集計による市場予想平均)。2016年の予想PERは約13.9倍、17年の予想PERは約12.9倍、PBR(株価純資産倍率)は1.19倍と依然割安感が強く、債券市場利回りと比較した配当利回り(2.1%)面からの魅力も否めない。

 10月以降の市場が「来年の業績見通しを織り込んでいく」と想定し、2017年の予想増益率が高い順で業種を並べると、1位は「鉄鋼・非鉄」(43.6%増益)、2位が「エネルギー資源」(22.2%増益)、3位が「電気・精密」(19%増益)、4位が「小売」(17.9%増益)、5位が「自動車・輸送機器」(14.5%増益)、6位が「機械」(13.1%増益)、7位が「素材・化学」(9.7%増益)、8位が「商社・卸売」(7.7%増益)などが上位にあり、これら業種指数の7月来(16年下期)騰落率は「小売」を除いて市場平均(TOPIX)を上回ってきた。

 原油相場や素材市況の戻り、ドル円の底入れ、世界的な景気対策(インフラ整備を主目的とする財政出動)の効果などを織り込みはじめた可能性があるので注目したい。

図表2:日本市場の業種別業績見通し


(注)増減益率やPERは、Bloombergが集計した各指数ベースの市場予想EPSの前年比増減益率を示す。
(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(10月12日時点)

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