Gartnerが発表した調査結果によれば、Dellはサーバ市場で好調な成績を見せており、出荷台数でHewlett Packard Enterprise(HPE)を上回った。
2016年第2四半期のDellの業績は、サーバの出荷台数が8.9%の大幅な伸びを見せて首位となった。ただし、売上高ではHPEが世界首位の座を守っている。一方、IBMの売上高は34.4%減少した。

Gartnerの調査担当バイスプレジデントJeffrey Hewitt氏は、Dellが世界全体でのサーバ出荷台数で1位に躍り出たのは、主に同社がアジア太平洋地域で打ち出したプログラムの成果であり、特に中国で効果が大きかったと述べている。Dellがx86市場で成功を収め、出荷台数ベースで19.2%の市場シェアを獲得した一方、HPEの出荷台数シェアは17.2%で、2位となった。
Gartnerによれば、市場全体で見ると、2016年第2四半期におけるサーバの売上高は前年同期比で0.8%減少したのに対し、出荷台数は2%増加した。

IDCのフェローアナリストが発表した統計も、同様の状況を示している。同社の数字では、2016年第2四半期における世界サーバ市場の売上高が前年同期比0.4%減の134億ドルとなった一方、出荷台数は2.6%増の240万台となった。
IDCによれば、サーバ市場全体の成長は鈍化しており、その原因の一端は、ハイパースケールデータセンターの拡張が一段落したことと、ハイエンドサーバの販売が減速し続けていることにあるという。また、2015年には企業が新規サーバに大規模な投資を行ったが、2016年は投資規模が縮小している。
IDCの数字では、量販価格帯システムの売上高は前年同期比5.3%増、ミッドレンジシステムは12.7%増となり、それぞれ106億ドルと13億ドルだった。ミッドレンジシステム市場が好調だったのは、企業がシステムの仮想化や整理統合への投資を進めていることや、「x86ベースの基幹システムが増加したこと」が理由だという。
ハイエンドシステムに対する需要は31.4%減の16億ドルとなっており、アナリストはこの市場の売上高は今後も減少を続けると予想している。