会議アプリやセキュリティ機能などをクラウドで提供

シスコシステムズ 執行役員 最高技術責任者(CIO) 兼 イノベーションセンター担当 濱田義之氏
クラウドとセキュリティについては、執行役員で最高技術責任者(CIO)兼イノベーションセンター担当の濱田義之氏が説明した。
複数のクラウドサービスに業務システムを配備する用途としては、マルチクラウド対応のデプロイ管理サービス「CloudCenter」(買収した米CliQr Technologies)を提供している。
各種サービスもクラウド経由で提供している。IoT管理(Jasper)、ネットワーク機器の設定(Meraki)、セキュリティ(CloudDNS、CloudLock)、コラボレーション(WebEX、Cisco Spark)などだ。このうちCisco Sparkは新しいコラボレーションサービスで、国内では2017年上半期に開始する。
セキュリティについては、入口対策、内部対策、出口対策の多層防御が基本。クラウド型で提供するセキュリティを活用することも有効で、同社が手がけるクラウド型セキュリティの例としてOpenDNSとCloudLockを紹介した。
OpenDNSは、DNSの名前解決の時点でセキュリティを確保するもの。例えば、C&Cサーバと接続させないようにする。2016年内の国内提供を予定する。CloudLockは、内部対策に有効なサービスで、クラウドを安全に使えるようにする。2017年上半期の国内提供を予定する。
NFVとSD-WANでネットワークをシンプルに

シスコシステムズ NTTグループ事業統括 井上雅雄氏
主にサービスプロバイダに向けた製品については、NTTグループ事業統括の井上雅雄氏が説明した。
今後は、ネットワーク帯域の急激な増加を受けて、ISPへの要求が急速に高まるという。まず、インターネットを流れるデータ量がゼタバイトになった。日本は今後、映像コンテンツがトラフィックの8割を占めるようになる。デバイスの数も増え、トラフィックの72%をデバイス間通信が占めるようになるという。
ISPがトラフィックへの要求を解決する方法の1つとして同社は、NFV(仮想アプライアンス型のネットワーク機器)とSD-WAN(ソフトウェア定義型のWAN)を挙げる。これらによってネットワークをシンプルにできる。実際に導入が進みつつあるという。
ネットワークの管理においては、プロビジョニングや制御の自動化も進むという。エッジ機器に機械学習を組み込んで自律的に制御できるようになる。用途によってはクラウドにデータを転送して詳細に分析する形になる。