3Dデータ、ビッグデータ、IoTで事業貢献
IT技術の事業への活用では、特に、3Dデータ活用、ビッグデータ活用、IoTの3つに注力しているという。
3Dデータは、製品開発の上流から下流まで通して活用する。ビッグデータも、製品の企画から設計、生産、販売、サービスにいたるまで、それぞれのフェーズにおいてデータを活用する。フェーズをまたがったデータ活用も行う。IoTは、生産現場において生産工程を可視化したり、顧客向けでは商品サービスの付加価値を高める。
鈴木氏は、ITを事業に活用した例を、いくつか紹介した。ニコン製のカメラとスマートフォン/タブレット端末を連携させるSnapBridgeの基盤、装置の稼働状況を可視化して予防保全に役立てる基盤、3Dプリンタ造形物のX線評価アプリケーション、建設プロセスにおけるデータ活用、などだ。
基幹業務パッケージについては、以前はフルカスタマイズで使っていたが、業務パッケージのバージョンアップ時に膨大な工数が発生するので、これを改めた。欧米ではそのまま使うのが基本なので、業務プロセスの標準化に取り組んだという。
社員間のコラボレーション基盤は、大容量データを受け渡すファイルサーバなどの基盤からウェブ会議などのメッセージング基盤まで、用途に応じて情報系システムを揃えている。
講演の最後に鈴木氏は、今後の課題を3つ挙げた。1つは、業務システムから事業貢献へと重心をシフトすること。ITの目利きとして、信頼されるIT部門になる。1つは、グローバル化への対応。グローバルガバナンスは途上なので、これからアプリケーション標準化などの合意を形成していく。1つは、IT人材の育成だ。
IT人材に求められる能力として鈴木氏は、ITスキル、ビジネススキル、ヒューマンスキル(人間力)の3つを挙げる。「人間力の基本は、コミュニケーションスキルだ」(鈴木氏)