ニフティは10月17日、製造業とサービス業を対象にIoTに関する実態調査の結果を発表した。調査結果からは、両業種とも多くが「IoT活用で今後ビジネスが進展する」と考えており、IoTに求める価値としては「顧客接点の強化」を挙げる方が多いことが分かった。
なお、製造業では「製品・サービスの付加価値創造」「製品・サービスの新開発」の順でIoTに対する期待が高く、IoT活用の狙いが従来のファクトリーオートメーション(FA)に代表されるような製造工程の最適化や効率化だけでなく、付加価値創造にも及んでいることがうかがえるという。一方、IoTへの取り組みに二の足を踏んでいる理由としては、IoTを活用したビジネス設計やデータ活用のノウハウ不足に起因するものや、人材不足が多く挙げられていた。
調査結果の主なトピックは以下の通り。
- 多くの回答者が「IoT活用でビジネスが進展する」と考えており、世の中におけるIoTの普及も実感
- IoT活用に期待することは、「顧客接点の強化」「製品・サービスの付加価値創造」
- 製造業においては48.4%、サービス業は22.1%がすでにIoT活用の検討を開始
- IoT活用の課題は、ビジネス設計やデータ活用ノウハウと人材の不足
IoTに対するイメージについての質問では、製造業78.7%、サービス業で65%が「製造業のサービス化が進展する/IoTによってビジネスが進展する」と回答した。また、世の中におけるIoT普及については、両業種とも約4割の方が「実感している」と回答している(いずれも単一回答)。
製造業従事者のIoTに対するイメージ
サービス業従事者のIoTに対するイメージ
IoT活用に求める価値について、両業種で共通して回答が多かったのは「顧客接点の強化」(製造業25.8%、サービス業24.7%)だった。製造業に限ると「製品・サービスの付加価値向上」(33.5%)、「製品・サービスの新開発」(27.4%)の順に回答が多く、これらが「システム・インフラの効率化」(21.4%)や「業務の最適化」(12.5%)を上回った(複数回答)。
自社でのIoT活用状況については、製造業では24.6%、サービス業では9.4%がすでにIoTに関して具体的な取り組みを行っている(「IoTを活用している」「活用に向けた準備をしている」)と回答。さらに、「IoTの活用を検討している」まで含めると、製造業では48.4%、サービス業では22.1%が検討以上の段階に進んでいる(単一回答)。
勤務先のIoT活用状況
IoT活用を「検討中」または「予定はない・わからない」とした回答者にその理由を尋ねたところ、回答が多い順に、「IoTと自社製品・サービスを関連づけることの難しさ」(製造業 17.6%、サービス業 27.2%)、「効果についての疑問」(製造業 18.7%、サービス業 20.2%)、人材やスキル不足(製造業 21.4%、サービス業 16.9%)となった(複数回答)。
また、すべての回答者に対し「データ活用」の課題について尋ねたところ、全体の約半数が何らかの課題があると回答した(単一回答)。
調査は、IoT活用のニーズが今後ますます高まると考えられている製造業とサービス業におけるIoT活用の実態を把握するために行われたもので、製造業またはサービス業に従事する全国の20代以上の人物を対象とし、インターネットによるアンケートを9月6日から8日にかけて実施した。有効回答者数は548名(製造業248人、サービス業300人)。