銀行のデジタル化を促進させるもの
企業は現在、クラウドコンピューティングを追いかけ、製品やサービスを次々とクラウド化しています。そして、企業はバックエンドソリューションを消費者のウェブにリンクさせているため、APIは今やビジネス価値を計算する上で重要な役割を果たしています。
金融業界でも、サービスのニーズを満たす斬新な代替手法を検討し、採用するために必要なオープン性が求められており、特にAPJの若い消費者の間で要望が高まっています。KPMGによれば、バンキングなどのコアサービスのユーザー数は東南アジア全体で2020年までに倍増するとされています。モバイルバンキングやペイメントシステムはより一層、他のテクノロジと統合化されてゆき、やがてオープンバンキングの時代が訪れることが期待できます。
金融サービスセクターの多くの企業が、その事業戦略の要として、モバイル技術の採用を進め、APIの適切な利用をその中核に据えていることは驚くことではありません。
従来のシステムは、完全なデジタル化への移行の道を遮る最も大きな障害のひとつであり、また新しいテクノロジとの相互運用性もなく、年を重ねるとともに非効率の度が増していきます。
垂直型でサイロ化された従来の手法から、サイロの存在しない水平モデルへと切り替える銀行は、あらゆるチャネル、端末にわたって統一された顧客体験を提供できます。オムニチャネルの概念を具体化する上で、全体的なデジタル化のITにおける俊敏性を確保するためにAPIが不可欠です。
CA Technologiesが最近実施した「APIs and the Digital Enterprise: From Operational Efficiency to Digital Disruption」と題する調査によれば、APJの金融サービスセクターの回答者の36%が高度なAPI対応能力を持ち、それ故、APIの活用への関心を益々高めている、としています。
オープンバンキングAPI環境のセキュリティの重要性
金融サービス業界は長年にわたってデジタルイノベーションを醸成する場となっていました。しかし、セキュリティの懸念や市場シェアを保護するために、そのオンライン機能は特定のブランドやペイメントネットワーク内でのみ運用されてきました。
オープンバンキングAPIの概念は、顧客はもちろん企業にとってもバンキングデータを効率的に利用可能にすることを目的としていますが、セキュリティの懸念が、これを広く受け入れられるようにする上で最大の障害となっていました。
APIは事業目標に戦略的に整合させることが求められます。一方で、技術部門はそれらを短期間かつ大規模に構築、管理、セキュリティを確保する能力を養わなければなりません。
例えば、効果的なアイデンティティ管理プラットフォームを実装すれば、銀行はモバイルやクラウドなどの新しい事業機会を活用し、その一方で、重要なアプリケーションと情報セキュリティとプライバシーを確保できるので、オープンバンキングAPI環境で信頼できる基盤の確立に向けた支援が可能になります。
金融サービス業界全体にわたってデジタル化が進めば、当然の如くオープンバンキングAPIがバンキングデータの巨大な価値を解き放つことになるでしょう。アプリケーションエコノミーでは、銀行がデジタル化を考え、変化を続ける状況に適応すること、すなわち、そこにはオープンバンキングAPIの普及が前提となっているはずです。