JS Foundationのメンターシッププログラムにおける初期プロジェクトとしては以下のものがある。
- Appium：「iOS」や「Android」「Universal Windows Platform」（UWP）上で動作するネイティブアプリや、モバイルウェブアプリ、ハイブリッドアプリの自動化に用いるオープンソースのNode.jsサーバであり、Sauce Labsによって提供された。また、JS Foundationが現在保有しているテストフレームワークやツールをデバイスの自動化機能に取り込むものともなっている。
- Interledger.js：Interledger Protocol（ILP）を用いて、多くの決済ネットワークをまたがったさまざまな通貨での即時決済や少額決済（マイクロペイメント）を可能にするものであり、Rippleによって提供された。JS Foundationはこのプロジェクトをサポートすることで、アプリケーション開発者がウェブ上での決済に関する新たな標準化手法を検討するようになってほしいと考えている。
- JerryScript：IoTデバイス向けの軽量ながら十分な機能を持ったJavaScriptエンジンであり、サムスンによって提供された。IoTはJavaScriptの世界で最大かつ最も成長著しい分野だ。JerryScriptは、IoTのプロジェクトと開発者を支援するというJS Foundationの取り組みにおける手始めとも言えるものだ。
- Mocha：豊富な機能を備えたJavaScriptのテストフレームワークであり、Node.js向けのコマンドラインインターフェースとともに、ブラウザを用いたテストを可能にするものだ。JS FoundationはLodashとともにMochaをサポートし、JavaScriptアプリケーションを支える数多くの基盤を長期にわたってサポートしていこうとしている。
- Moment.js：日付ライブラリであり、解析や検証、操作、フォーマットといった機能が用意されている。また、Timezoneを使えば、タイムゾーンのサポートをJavaScriptに提供できる。Moment.jsはJavaScriptエコシステムの重要な基盤として、開発者が素晴らしいJavaScriptアプリケーションを構築できるよう支援する。JS FoundationはMoment.jsとともに、GlobalizeやJedといったプロジェクトをサポートすることで、国際化やフォーマットに向けたコラボレーションを促進していきたいと考えている。
- Node-RED：Node.js上に構築されたフローベースのプログラミング環境であり、IBMによって提供された。これは主にIoT分野で利用されている。Node-REDは、APIとサービスを容易に統合できるイベント駆動型アプリケーションの構築を目的として生み出されたものだ。Node-REDは、エンドツーエンドの完全なJavaScriptソフトウェアスタックをサポートするというJS Foundationの取り組みにおける主な原動力となるはずだ。
- webpack：モジュールのバンドラであり、主にブラウザ内での使用を目的としたJavaScriptファイルのバンドルに利用されている。また、たいていのリソースや資産を変換したり、バンドルやパッケージ化を行う際にも利用できる。
JS Foundationは、World Wide Web Consortium（W3C）やWeb Hypertext Application Technology Working Group（WHATWG）、ECMAScriptといった標準化団体の成果も踏まえていく。また、Node.js Foundationと緊密に協力していく。ひとことで言うと、JS FoundationはJavaScriptにおける車輪の再発明を目指しているわけではない。JavaScriptの向上に取り組もうとしているのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
