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Java Champion寺田氏が「JavaOne 2016」で感じたこととは

谷川耕一 羽野三千世 (編集部)

2016-10-21 11:05

 昨年くらいからどうもOracleのJava EEに対する動きが鈍い。そんな状況に危機感を憶え、Java EEガーディアンズと呼ばれるグループが、Oracleに対し警鈴を鳴らす動きもあった。また国内においても、日本JavaユーザーグループがこのJava EEガーディアンズに対する支援を表明するなんてことも起こっている。2016年9月、そのようなOracleによるJava EE開発の動きが止まっているのではとの懸念がある中、米国サンフランシスコで「JavaOne 2016」は開幕した。

Java EEのロードマップは示されたが


Java Champion 寺田佳央氏(日本マイクロソフト)

 「JavaOne直前に、OracleのAnil Gaur氏が、Java EEをどうするかをJavaOneで明らかにするとコメントしたこともあり、Java EEに関わっている人にとって今回のJavaOneは注目度の高いイベントでした」と言うのは、日本に2人しかいないJava Championの1人であり、昨年日本オラクルから日本マイクロソフトに転職して同社でJava関連のデベロッパーエバンジェリストの活動をしている寺田佳央氏だ。

 JavaOneの初日に行われた基調講演で、Oracle クラウドアプリケーション グループ・バイスプレジデントのGaur氏は、Java EEの今後のロードマップを提示し、クラウド化、マイクロサービス化への対応について説明した。クラウドに対応するアプリケーションの開発を容易にし、さらには既存のアプリケーションとの連携も簡単に行えるようにする。そのための機能をJava EEの標準に取り込む。そんな方針をOracleは基調講演のステージで明らかにした。

 そのような表明はあったものの、基調講演の多くの時間はJava SEの説明や他の部分に充てられていた。つまり基調講演の場でJava EEに対する不安が十分に払拭されたとは言いにくい。しかし、基調講演では十分に説明されなかったが「ブレイクアウトセッションでは、Oracleの考えているJava EEの今後について詳しく話を聞くことができました」と寺田氏。その説明を聞いた寺田氏は、Oracleが考えていることが実現できれば「今後のJava EEには期待したい」と感じたとのこと。あくまでも現時点でのOrackeからの提案ではあるものの、Oracleが示したJava EE 8、Java EE 9の技術側面は、評価できる内容だろうと言う。

 しかしながら、寺田氏が少し残念に感じたこともある。それは、このJava EEの方向性が事前にコミュニティとの間で十分にシェアされなかったことだ。例えば、今回提示したJava EE 8、EE 9のロードマップ内容は、エキスパートグループメンバーやJava Championたちにも事前に共有されず、JavaOneのステージで始めて明らかにされたものだった。

OracleとMicroProfileプロジェクトの歩み寄りに期待

 JavaOneの基調講演に話を戻すと、講演の最後にはNEC、富士通、日立という日本を代表するアプリケーションサーバベンダーの担当者がステージに登場した。さらにユーザーとしてSOMPOホールディングスのグループIT企業であるSOMPOシステムズ 代表取締役社長 浦川伸一氏も登壇。Oracleがこの日に示したJava EEの方針に概ね賛同の意を示し、この動きを応援したいとコメントがあった。

 他にも基調講演前半には、日本の自動車メーカー・マツダの吉岡氏がJavaの活用事例を紹介している。そういったところから今回の基調講演は、日本の多くの企業がJavaの世界で存在感を示すものとなっていた。「日本のビジビリティを上げる面では良いものだったと思います」と寺田氏も言う。一方で、これまでJava EEの標準化の策定や開発に積極的に関わり、毎年のようにJavaOneのステージに登場していたRed HatやIBMの影がなかった。これについては、少し懸念も生まれる。

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