日本株展望

業績上方修正・最高益更新が見込まれる建設・土木株

ZDNet Japan Staff 2016年10月20日 11時34分

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今日のポイント

  1. 9月中間決算の発表時に建設株で業績予想の上方修正が増える見込み。すでに鹿島や大林組、戸田建設などが上方修正を発表済み。2020年までリニア新幹線工事をはじめ、大手ゼネコンは仕事量が豊富で、最高益更新企業が増える見込み
  2. 2020年以降に仕事量が減ることがリスク。また、東京五輪の会場整備や築地市場の豊洲移転など大型の公共工事で、価格が高すぎるとの議論が出ていることは建設セクターにとってネガティブ

 これら2点について楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

大林組(1802)が業績見通しを上方修正

 まだ9月中間決算発表前だが、10月11日に大林組が上期予想の大幅上方修正を発表した。

大林組による上半期(2016年4~9月期)業績予想の上方修正

(出所:同社発表資料「業績予想の修正に関するお知らせ」)
(出所:同社発表資料「業績予想の修正に関するお知らせ」)

 完成工事利益率が予想以上に改善したことが利益上方修正の理由だ。期初、完成工事利益率は9.2%になると会社では予想していたが、実際は12.4%となった見込みだ。

 大林組は過去3年、期初に低い利益予想を出し、期中で大幅に上方修正することを繰り返してきた。大林組に限らず、建設・土木セクターは過去3年、期初予想を期中で上方修正するパターンを繰り返す企業がたくさんあった。

 建設・土木業界は、体質的に利益予想を低めに出す傾向がある。完工後に追加工事が必要になって採算が悪化することが多いので、それに備えているという側面もある。ただ、それ以上に大きいのが、工事を発注する主体である施主と厳しい価格交渉をやる中で、利益が大幅に増える予想を外部に出したくないところにあるだろう。

 特に過去3年は、建築・土木事業の粗利(完成工事総利益率)が大きく改善してきているので、業績の上方修正が必要となっている。仕事量が豊富にある中で、建設各社の施工能力が限られるため、選別受注が可能になった効果が出ている。

 かつてのような受注単価の叩き合いは姿を消し、建築単価の引き上げが通るようになった。建設労働者が不足し、人件費の高騰が続いていることがマイナス要因だが、それが過当競争を抑え、業界全体の利益率改善に寄与している。

 こうした環境を反映して、大林組は過去3期、低めの業績予想の大幅上方修正を繰り返している。

大林組業績の期初会社予想と着地比較:2014年3月期~2016年3月期、2017年3月期は期初会社予想のみ

大林組業績の期初会社予想と着地比較
(出所:大林組決算資料より楽天証券経済研究所が作成)

 大林組は、今上半期の経常利益を420億円から600億円に大幅上方修正している。2017年3月期通期の業績予想は現時点で据え置いているが、こちらも上方修正し、2017年3月期も2016年3月期に続き最高益を更新することになると予想される。

鹿島(1812)も業績を上方修正

 中間決算発表前だが、鹿島も10月11日に業績予想の上方修正を出している。

鹿島による上半期(2016年4~9月期)と通期(2017年3月期)業績予想の上方修正

鹿島による上半期(2016年4~9月期)と通期(2017年3月期)業績予想の上方修正
出所:同社発表資料「業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」)

 鹿島も、過去3年は国内工事の利益率改善が続いている。ただし、海外の大型工事で不採算工事が残っていた間は、業績予想の下方修正が続いた。

(出所:鹿島決算資料より楽天証券経済研究所が作成)
(出所:鹿島決算資料より楽天証券経済研究所が作成)

 2014年3月期と2015年3月期に鹿島は、期初予想を下方修正しての着地となった。建設各社に業績上方修正が広がる中で、逆の動きとなった。過去に受注した不採算の海外工事などが足を引っ張った。

 過去の不採算工事の完工が一巡した2016年3月期から鹿島は大幅増益となった。2017年3月期も、すでに業績予想を上方修正し、最高益を更新する見通しを立てている。

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