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AIやIoTでのデータ活用のために--オープンデータによる官民連携 - (page 2)

小船井健一郎 山田竜司 (編集部)

2016-11-09 07:00

 もうひとつはルールづくりです。政府のウェブサイトに載っている情報はすべて自由に使っていい」ということにしました。これは政府のウェブサイト全体の利用規約を書き換えるという作業からはじまりました。最初にできた「政府標準利用規約1.0」では、出典さえ書けば自由に使えるという意味でオープンデータ的でしたが、「公序良俗に反する利用や国家・国民の安全に脅威を与える利用は禁止」という文言が含まれることでグローバル・スタンダードであるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは離れていたのです。オープンデータコミュニティはこれを消すことを求めて、2015年末に「政府標準利用規約(第2.0版)」が決定でこの項目が修正されました。これを全省庁が採用したので、現在は出典さえ書けば丸々コピーしてもいいし、データを売ってもいいことになった。これは、オープンデータ1.0の最大の成果だと思います。

 そうしたライセンスの状況とデータの掲載件数を、G8で比較したのが表1です。ライセンスがオープンになって、日本も先進国並みになったことがわかります。ただ、2012~2015年度のあいだにG8の先進国でない国もオープンデータ施策を進めており、日本は非営利でオープンデータを推進しているOpen Knowledgeのオープンデータインデックス(ランキング)31位で必ずしも評価は高くはない。これで満足してはいけません。


庄司昌彦氏 作成 提供(引用元

「オープンデータ2.0」が始まった

――次の「オープンデータ2.0」とは何でしょうか。

 オープンデータ2.0とは、官民一体となったデータ流通の促進のことと認識しています。これまで政府のオープンデータ1.0の流れを説明しましたが、いずれも行政機関が保有するデータを対象として進めてきたものでした。そこで、政府は今年「オープンデータ2.0」を掲げた文書を出しました。官民一体となったデータ流通の促進するというものですが、これは「強化分野の設定」「民間企業へのデータ提供の依頼」「地域をまたいだ連携」などを進めていくと表明したものです。1.0から2.0になって、行政機関だけではなく、官民連携という次のステップに入ってきています。

 その動きが官民がもつビッグデータの活用を推進する「官民データ活用推進基本法案(仮)」です。自民党が中心になってまとめ、民進、公明、日本維新の会の4党が11月1日に今回の臨時国会に提出するという報道がありました。以前から自民党の平井卓也IT戦略特任委員長が「データを活用する環境をつくらなければならない。そのためには省庁ではなく、議員立法でこの秋に出す」と言って、2015年からデータ活用の勉強会をしていました。

 この議論は、オープンデータだけでなく個人情報や大企業のデータの活用環境を整えることなど幅広いテーマをターゲットにしていますが、あくまで「基本法」なので細かいことは書いていません。おそらく「政府全体の計画を作成して毎年1回チェックしていきましょう」「省庁や自治体や企業はこの目標に向かって協力していきましょう」といった方針を書いたものになるのではないかと思います。基本法が成立した後に、その下に戦略が作られていくことになるのではと思っています。

 この法律ができることによって、さらに官民の連携が進むでしょう。行政機関の持っているデータだけで議論しても、その範囲は狭いわけです。例えば人工知能(AI)やIoTも、民間のデータと混ぜて使う可能性があるので、そういう分野を射程にしています。この法律はその活用の後押しをするものなので、オープンデータを活用してもらう準備ができてきています。

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