NECは10月20日、製造業のIT部門向けにIoT活用などによるデジタルビジネス立ち上げを支援する「IT組織変革ソリューション」の発売を開始した。製造業のIT部門向けのコンサルティングサービスをメニュー化したもので、大きく「IT中計 策定支援サービス」と「IT中計 実行支援サービス」の2つに分かれる。
策定支援サービスでは、NEC独自のフレームワークと専任ファシリテーターを利用できる。3時間×4回程度のワークショップを実施し、約1カ月の短期間で中期計画を策定する。中長期のIT部門の行動計画を策定するメニューもある。IT部門の若手次期リーダー育成ワークショップ、他の事業部門や関係会社を交えたワークショップなどの開催も支援する。
実行支援サービスでは、NECからIT組織運営の実務経験もしくはコンサルティング経験のあるメンバーを“CIO補佐官”として派遣するサービスがある。IoTやビッグデータ、AI、モバイルなどの活用に関する競合他社のベンチマークや特許情報調査、新事業企画支援サービスなども用意されている。
業務分析・業務改革コンサルティングのメニューもあり、本社IT部門、IT子会社、外部の協力企業などのIT業務について分析する。そのほか、IT構造やIT人材、ITコストをセットで改革支援するサービス、アウトソーシングやクラウド連携などの支援サービスも用意されている。
価格は、中期計画の策定を含む「IT中計策定支援ワークショップ」が300万円から。CIO補佐官派遣などを含む「マネジメント強化支援サービス」が年間1500万円から。競合他社のベンチマーク評価などの技術リサーチなどを含む「イノベーション促進」が600万円からとなっている。
NECは2008年から「CIOラウンドテーブル」を開催している。毎年10人程度のITリーダーが集まり、IT組織の未来の姿とその実現に向けたロードマップについて、1回3時間、全5回で議論するとともに各自が描いたIT組織変革のロードマップを互いに共有し、組織変革への切磋琢磨・共創に挑戦する場としている。今回のサービスは、CIOラウンドテーブルの成果を生かしている。
CIOラウンドテーブルの成果をまとめたものとして「『ITと経営』白書」も同日に公開している。ITリーダーとの議論から、IT組織の自己変革には経営のITへの関与、変革への後押しが必要と説明。これから必要なデジタルビジネス変革では、従来の業務プロセス改革(BPR)以上の全社の業務変革、組織変革、マインド変革といった経営のリーダーシップが求められるとし、デジタル活用、ビジネス再設計、企業変革という3つをいかに自社の人材を中心に推進すべきかを提言している。