SAPは堅調な第3四半期(2016年7~9月期)の決算発表を行い、今後の見通しについても上方修正した。だが一部のアナリストは、ライセンスの成長とHANA顧客の増加ペースに懸念を示している。
第3四半期の売上高は前年同期比8%増となる53億7000万ユーロで、純利益は7億2500万ユーロだった。一部項目を除いた利益は10億9000万ユーロと報告している。
新規クラウド受注は前年同期から24%増加し、クラウドサブスクリプションとサポートの売上も28%増加した。ソフトウェアライセンスとサポートの売上高も5%増となった。
「SAP S/4HANA」と「HANA Cloud Platform」については、同四半期に新たに400の顧客がSAP S/4HANAを導入し、そのうち40%が新規顧客という。SAP S/4 HANAの顧客数は4100を超える。
従業員数は8万2426人と報告されている。
今後の見通しについては、非IFRSベースでのクラウドサブスクリプションとサポートの売上高は30~30億5000万ユーロになると予想している。営業利益は65~67億ユーロになると見込んでいる(為替変動の影響を除く)。
地域別で見ると、クラウドとソフトウェアの売上高は、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が6%、米大陸は9%、アジア太平洋は13%増となった。
EvercoreのアナリストKirk Materne氏は、SAPの第3四半期の業績について堅調だとする一方で、S/4 HANAの導入ペースと新規クラウド受注の減速について疑問を呈している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。