シフトレフトが重要:HPE、IoT活用支援でゲートウェイなど提供--検証施設も開設

三浦優子 2016年10月24日 16時21分

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 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は10月20日、IoT向けのゲートウェイ製品の「HPE Edgeline EL10 Intelligent Gateway」「HPE Edgeline EL20 Intelligent Gateway」と、コンバージドシステムの「HPE Edgeline EL1000 Converged IoT System」「HPE Edgeline EL4000 Converged IoT System」の発売を開始。東京本社内に実機で検証できる施設「IoTコンピテンスセンター」を開設し、製品だけでなくIoT導入を支援する体制も整備した。

 HPEはIoTが本格的に普及していくことで、大量のデータをいかに処理するのかを課題の一つとして挙げ、「従来はデータセンターで行ってきた早期分析と制御処理をエッジで実行する“シフトレフト”によって、リアルタイムにデータを処理して新しい価値を生み出す」(執行役員 エンタープライズ事業統括 サーバ事業統括本部長 大月剛氏)という方向性をアピールしている。

執行役員 エンタープライズ事業統括 サーバ事業統括本部長 大月剛氏
執行役員 エンタープライズ事業統括 サーバ事業統括本部長 大月剛氏

データを発生源近くで処理

 HPEがIoTの重要なキーワードとして挙げたのが「エッジ」と「シフトレフト」。エッジはデータを生成するモノに近い場所を指す。シフトレフトは、従来はデータセンターで行ってきたデータの早期分析と制御処理をデータセンターではなくエッジで実行することを提唱している。

 「IoTのデータが増えれば増えるほど、全てのデータをクラウドに送ることは非現実的になる。お客さまと話していると、増大したデータを送信する際の遅延、帯域の確保、コスト、脅威対策、設備の重複、データの破損と損失、コンプライアンスという7つの課題に集約される。この解決策として、エッジで早期に処理するシフトレフトを解決策として提案したい」(大月氏)

データ発生源近くで処理するシフトレフト
データ発生源近くで処理するシフトレフト

 これを実現する新製品であるEdgeline Converged IoT Systemsについて大月氏は「全く新しい製品カテゴリ」と説明する。従来は異なるステージにあった「データ収集と集約」と「早期分析とコンピュート」を統合。設置するのもデータセンターやオフィス内ではなく、工場などデータが発生する現場に近い場所にする。

 この条件にあわせてサーバと同クラスの処理性能、サーバと同等のリモート管理、Operational Technology(OT)とITを統合する、標準の通信規格である「PXI」のサポート、工場など過酷な場所にも設置できる耐久温度などエッジ向けの耐環境性能といった特性を持っている。

 早期導入ユーザーであるキヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、既存のシステムとは別にIoTゲートウェイを接続した新しいシステムをスタートした。

 「製造業の現場は日々、プロセスを改善している。そこに既存システムとつながった新しいIoTを加えるのは容易ではない。そこでIoTゲートウェイで小さくスタートし、新たなデータを加えた簡易解析と効果検証を行い、そこから新たな発見、実証を小さく繰り返していった。キヤノンITソリューションズには小さく始められる点を評価して頂いた」(大月氏)

 Edgelineは、小型で低消費電力が必要となることから小型、低消費電力で実績あるMoonshotカートリッジを活用している。優位点として、オープンスタンダードで高性能な仕様を実現したことで、データセンターに送る前、現場に近い場所での処理が可能と説明。OTとITを融合させ、複雑なアナログデータの取り込みとモノの制御を実現しているとしデータセンターで培ったセキュリティと管理機能を搭載し、管理が容易なことなどもメリットとしている。

サーバ事業統括本部 サーバ製品本部 スケールアウト・サーバ製品部 カテゴリーマネージャー 阿部敬則氏
サーバ事業統括本部 サーバ製品本部 スケールアウト・サーバ製品部 カテゴリーマネージャー 阿部敬則氏
執行役員 エンタープライズグループ事業統括 プリセールス統括本部長 香月千成子氏
執行役員 エンタープライズグループ事業統括 プリセールス統括本部長 香月千成子氏

 「IoT活用はまだ試行錯誤の段階。このタイミングで小さく、早くIoTを始められる選択肢として今回の製品をラインアップしている」(サーバ事業統括本部 サーバ製品本部 スケールアウト・サーバ製品部 カテゴリーマネージャー 阿部敬則氏)

 製品だけでなくIoT導入を支援する体制を整備。「IoT推進室」を設置し、実機検証環境であるIoTコンピテンスセンターを設立した。

 「IoT推進室はIoTに関するコンタクトポイントとして、何かあった際の駆け込み寺として活用してもらいたい。コンピテンスセンターはグローバルに何カ所かある中の一つとして日本に誕生した。IoTソリューションを試したいという日本のお客さまの要望に応える施設となっている」(エンタープライズグループ事業統括 プリセールス統括本部 執行役員 統括本部長 香月千成子氏)

 IoT推進室は、IoTでのコンタクトポイント、IoTソリューションの整備、IoTソリューションの展開、推進などの役割を担う。IoTソリューションを集約し、それを推進、展開していくための施設となる。

 IoTコンピテンスセンターは、HPE東京本社検証センター内に9月に開設。今回の新製品をはじめ、IoTソリューションの通信の鍵となるArubaネットワーク環境、検証センターにある全ての機器と、ユーザー企業が持ち込むハードウェア、ソフトウェアの接続を検証できる。IoTソリューションポートフォリオの各製品、主要な独立系ソフトウェアベンダー製品などと組み合わせて検証することも可能となっている。

 IoTに関連して競合他社からエッジ製品が低価格で登場しているが、「HPEの強みは製品単体だけでなく、ソリューションを構築できる環境までトータルで提供できる点にある」(大月氏)と製品以外のIoT活用支援まで含めた総合力を強みとしてアピールしていく。

HPE Edgelineの位置付け
Edgelineの位置付け

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