2020年に向けて、デジタルサイネージ市場の拡大が見込まれている。
富士キメラ総研によると、2015年度には1182億円だった国内デジタルサイネージ市場(システム、コンテンツ制作/配信、広告を含む)は、2020年には2700億円の市場規模に拡大すると予測しており、今後、システムの低価格化による裾野の拡大や、サイネージを利用した広告市場の急速な拡大が見込まれている。
そうしたなか、シャープは、デジタルサイネージ製品のラインアップ強化に取り組んでいる。
オフィスやリテールなどの利活用が増加しているほか、訪日外国人の増加にあわせて屋外設置の需要が拡大。それらにあわせて製品ラインアップを広げている。
10月下旬から発売する薄型高輝度ディスプレイの「PN-Rシリーズ」は、700cd/m2の高輝度を実現。1300:1のコントラスト比を実現した製品だ。約8mmという狭額縁によるスタイリッシュデザインの採用とともに、筐体の剛性を高めることで、天井からワイヤーでの吊り下げ設置のほか、床や商品陳列カウンターへの上向き設置、天井への下向き設置などを可能にしている。
業務用ディスプレイの拡張スロット規格「Mini OPS」に業界で初めて対応。さらに、HD BaseT受信ボードの搭載により、LANケーブルによる最長100メートルの伝送距離を実現。また、豊富な標準搭載端子を搭載しており、拡張性を高めている。
HD BaseT受信ボードの搭載により、最長100メートルの伝送距離を実現
「ワイヤーを利用した吊り下げ設置のほか、水平置きによって、テーブルサイネージとしての利用も可能。商談用のテーブルとしての利用も可能になっている」とする。
ワイヤー吊り下げ設置では、背面四隅の脱着式金具を利用。演出効果の高いディスプレイ設置が可能になる。
ワイヤーを利用した吊り下げ設置の例
天井吊り下げ用の専用の金具で取り付ける
同シリーズでは、55型の「PN-R556」、49型の「PN-R496」、42型の「PN-R426」も用意しており、オフィスやリテールでの利用を想定している。
また、メディアプレーヤー内蔵インフォメーションディスプレイとして、「PN-Yシリーズ」を9月下旬から順次出荷している。
USBメモリーやSDカードを本体に挿すだけで自動的にコンテンツを再生。新ソフトウェアの「eーSignage楽々配信くん」により、PCからLAN経由で、USBメモリーやSDカード内のコンテンツを、ftpプロトコルを使って書き換えることができるため、高所に設置した場合や、開けることが難しいケース内に設置した場合でも、メモリーの抜きさしを行うことなく、表示内容を変更することができるという。
55型の「PN-Y556」、49型の「PN-Y496」、43型の「PN-Y436」、32型の「PN-Y326」を用意しており、上向き、下向きなどのフレキシブルな設置が可能になっている。