ビデオリサーチインタラクティブは10月13日、VR(バーチャルリアリティ)の浸透度やVRヘッドマウントディスプレイの受容性に関する結果を公表した。調査は、同社が発行しているスマートフォンユーザーやタブレットユーザーにおけるアプリや専用サイトなどのサービスの利用状況の調査レポート「スマコン(SmartDevice Contents Report)vol.11」(10月末リリース予定)に向けた、スマートデバイスユーザーを抽出するための予備調査として行われたもの。予備調査は9月17日から19日にかけて、全国の15~69歳のPCインターネットユーザーを対象としてウェブで実施し、2万765サンプルを得ている。
VRに関する結果の主なポイントは以下の通り。
- VRおよび関連技術の理解度・浸透状況
- VRヘッドマウントディスプレイの関心度
- VRヘッドマウントディスプレイの今後1年以内の購入意向
詳細情報を与えない状態でVRに対する内容理解度を聞いたところ、全体の8.8%が「内容まで詳しく知っている」と回答し、「内容を少しは知っている」を含めた内容理解率は36.8%となった。さらに「言葉を知っている程度」までを含めた認知率は66.6%に達する。一方、『ポケモンGO』の登場により露出が増えたAR(拡張現実)や、手軽に楽しめるVRコンテンツである360度動画については、それぞれ40%弱の認知率であり、内容理解率はVRの半分程度となっている。
VR・AR・360度動画”の浸透状況(全体)
VR”についての説明文、ならびにVRヘッドマウントディスプレイの概要(ハイエンドモデルとエントリーモデルそれぞれについて、おおまかな価格帯も含む)を提示の上、VRヘッドマウントディスプレイの関心度を聞くと、全体の7.2%が「非常に関心がある」と回答、「やや関心がある」を含めた関心度は25.1%と4人に1人の割合だった。これに対し「全く関心がない」「あまり関心はない」とする無関心層の割合は、55.2%と過半数にのぼった。
VRヘッドマウントディスプレイの関心度(全体)
さらに、VRヘッドマウントディスプレイの関心度をVRの内容理解度別でみると、より深くVRを理解している層ほど関心度が高い傾向になっていることがわかる。
VR内容理解度別VRヘッドマウントディスプレイの関心度
続いて、「Oculus Rift」「PlayStation VR」「HTC Vive」などのハイエンドモデルと、「Googleカードボード」「ハコスコ」などのエントリーモデルのそれぞれについて今後1年以内の購入意向を聞くと、「ぜひ購入したい」「購入してもいい」とする購入意向率は、ハイエンドモデルが全体の15.7%を示し、エントリーモデルの12.8%を上回る結果になった。ただし、両モデルとも「購入したいとは思わない」が過半数を占めている。
VRヘッドマウントディスプレイの今後1年以内の購入意向(全体)
これら両モデルいずれか(≒VRヘッドマウントディスプレイ)の購入意向率は17.4%であり、これを性別でみると、男性(24.4%)の方が女性(10.6%)よりも高くなっている。年代別では、男女とも若年層ほど購入意向率は高い傾向にあり、特に男性15~19才では47.0%に至る。また、VRの内容理解度別でみると、深く理解している層ほど購入意向率は高く、さらにVRヘッドマウントディスプレイ関心者では55.3%と過半数が購入意向を示している。
属性別VRヘッドマウントディスプレイの今後1年以内の購入意向率
これらの結果を受けて同社では、VRヘッドマウントディスプレイの需要喚起には、VRヘッドマウントディスプレイに対する興味関心の醸成が有効であり、そのためにはVRに関する生活者への広く深い理解・浸透が求められることがわかったとしている。また、今回の調査では言及していないが、魅力あるVRコンテンツの充実も、重要なファクターであろうとした。