ARMがデバイス向けのチップ、セキュリティ技術、クラウド管理ツールなど、IoTに対応する製品スイートを発表した。スマートシティと大規模IoT実装に向けたもので、先ごろ多数のサイトをダウンさせたコネクテッドデバイスに向けたDDoS攻撃を考慮するとタイムリーな発表となった。
ポイントは、ARMはセキュリティから設計まで完全なIoTポートフォリオを構築しているという点だ。CPU事業部のマーケティング担当バイスプレジデントNadan Nayampally氏は、「われわれのIoTスタックによりデバイスの安全性が確保され、さまざまなベンダーの資産、コード、データを保護できる」と説明する。
ARMの開発者とエコシステムカンファレンス「TechCon 2016」で、ARMは次のような発表をした。
- IoTデバイス向けのプロセッサCortex-M23と同M33。小さく、消費電力も低い。セキュリティ基盤TrustZoneを搭載したARMv8-Mアーキテクチャをベースとする。
- TrustZone CryptoCellテクノロジ。CryptoCell-312技術によりコードとデータの安全性が強化される。設計チームはセキュリティを組み込むことができ、差別化された製品開発にフォーカスできる。
- Bluetooth、ZigBeeなどさまざまな標準をARMプロセッサに組み込むことができるCordio無線技術を使用したワイヤレスソリューション。
- セキュアデバイス管理サービスのmbed Cloud。複数のクラウドに接続でき、任意のデバイスの管理とトランザクションを効率よく安全にできる。
長期的には、mbed Cloudが最も大きなインパクトをもつ技術と思われる。IoT実装におけるデバイス管理は簡単ではない。さらには、ARMにとってより予測しやすい売り上げモデルに事業を多様化できる技術となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。