課題解決のためのUI/UX

課題解決のためのUI/UX--公共交通で考えるUXのあり方 - (page 3)

綾塚祐二

2016-11-02 07:00

料金の確認

 チケット売り場に立ち寄らずにゲートを直接通れる磁気カードや ICカードによるプリペイド制が普及したおかげで、公共交通に乗る手間は大幅に減少した。乗り降りのためのユーザーインターフェース(UI)やUXの改善という意味ではとてもよいのであるが、一方で、この仕組みは個々の移動の料金を(良くも悪くも)わかりづらくしているともいえる。

 もちろん、改札を通る際に料金は表示されるのだが、それを細かく気にする人は少ないであろう。乗る距離に応じて料金が高くなるのはおおよそ把握できてはいても、数多くの私鉄が複雑に相互乗り入れなどをしている日本の大都市では、利用した経路が何社線にもまたがると、距離に比して格段に料金が跳ね上がったりもする。

 利用者側からすると理想的には、何社線にも跨がろうとも総合的に距離に応じた料金になっていることであろうし、将来的にはそうなることを願いたいが、当面の課題としては、どの経路を用いるとどれくらいの値段になるかが容易に把握できるようにしたい。

 事前にウェブで乗換案内サービスなどを使えば比較できるが、駅などで、海外からの旅行者などでもさっと判りやすく理解し判断できるための情報提供はできないだろうか。UX的な観点から考え、よい手段で提供したい。

長距離列車

 都市間を移動するために長距離列車などを利用する場合は、また都市内とは違った独特の仕組みがある。都市内の交通機関と比べて利用頻度が下がる分、よく知らない人も多いであろう。

 たとえば、JRの乗車券で乗車区間のどちらかに「東京都区内」と書かれていることがあるが、どういう場合で、その場合どういう乗り方ができるのかを把握している人はどれだけいるだろうか? また、「途中下車」という制度があるが、利用したことがある人はどれくらいいるだろうか。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]