クラウド企業はユーザーに対し、どのようにしてベンダーロックインを回避するかについて伝えようとしている。現地時間10月25〜28日までスペインのバルセロナで開催されている「OpenStack Summit」では、16社が同じソフトウェアスタックを16の異なるOpenStackプラットフォームで動かすというライブデモを行った。そして、16社すべてが10分以内で自分たちのプラットフォームでプログラムを稼働させた。
プロジェクトは完全なエンタープライズソフトウェアを設定して動かすというものだ。参加企業は、3層のLAMP(Linux、Apache、MySQL、Perl/PHP/Python)スタックのエンタープライズアプリケーションを実行した。プロジェクト実装には、AnsibleとOpenStack Shadeを利用した。全員が同じAPIページを利用するために、各社はRefStackも利用した。そしてこれらをOpenStackクラウドの上で動かした。
それから各社は、自社のアーキテクチャとプログラムを利用した。例えばCanonicalは「Ubuntu 16.04」を利用したが、IBMは「Ubuntu 14.04」を使った。Red Hatは「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」を利用し、他者は「CentOS」を使っていた。
ハードウェアアーキテクチャもさまざまで、多くが種類の異なるIntelハードウェアを利用したが、LinaroはARM-64ベースだった。
参加したOpenStackベンダーは、AT&T、Canonical、Cisco Systems、DreamHost、Deutsche Telekom、富士通、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Huawei Technologies(ファーウェイ)、IBM、Intel、Linaro、Mirantis、OSIC、OVH、Rackspace、Red Hat、SUSE、VMwareなどだ。
このデモが示したことは、オープンソースのプログラムとDevOpsを使えば、簡単に1つのクラウドから別のクラウドにマイグレーションできるということだ。OpenStackがこれを容易にしたのは事実だが、Linuxとオープンソースソフトウェアを使っていれば、クラウドマイグレーションはそれほど大変なことにはならないはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。