IBMは米国時間10月27日、Sanovi Technologiesの買収に合意したことを発表した。IBMが展開するハイブリッドクラウド向けのディザスタリカバリのポートフォリオを整えるのが目的だ。金額などの詳細は公開されていない。
Sanoviはインド・バンガロールを拠点とする企業で、10年以上前から大企業やSMBを顧客にクラウドのマイグレーションとITリカバリソリューションを提供している。
Sanoviの「Application Defined Continuity(ADC)」技術は、物理、バーチャル、クラウドインフラ上のワークロード向けに使われている。IBMが大きな関心を示しているのは、同社の「Disaster Recovery Management(DRM)」だ。
大企業がクラウド技術、データセンター、ネットワークを効果的に利用するには、災害対策プロシージャをきちんと持ち、なにか支障があった際にサービスへの影響を削減することが重要だ。
IBMはSanoviのソフトウェアは同社の既存のDRMソリューションを増強し、顧客のワークフローを簡素化すると説明している。災害復旧プロセスを自動化し、復旧に要する時間、コストを削減できるほか、復旧の予行演習の時間対策も図れる。
「われわれの顧客はデジタル化された世界に向かっており、アプリケーションは“常時オン”でなければならない」とIBMのグローバルテクノロジサービス担当シニアバイスプレジデントのMartin Jetter氏は言う。「Sanoviはクラウドネイティブ企業で、さまざまなアプリケーション、データ、ITシステムを管理するわれわれのポートフォリオを強化する。顧客はデジタルとハイブリッドクラウドへのトランスフォーメーションと規制の遵守のバランスをとることができる」(Jetter氏)。
買収は2016年末に完了する予定だ。
買収完了後、Sanoviの技術はIBMのグローバルテクノロジサービス事業部に統合され、「IBM Resiliency Services」を強化する。最終的には、IBM Watson分析技術を用いてSanoviのDRM機能を拡張し、「組織が事業継続性プランニングからより積極的なレジリエンシープログラムに移行するのを支援する。これにより実際に支障が発生する前に潜在的な問題を予測できる」という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。