IIJ、セキュリティ事業を強化--人材育成にも注力、企業ごとにSOCを提供

三浦優子 2016年11月01日 11時44分

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 インターネットイニシアティブ(IIJ)はセキュリティ事業を強化する。新ブランド「wizSafe(ウィズセーフ)」の名称でセキュリティ事業を展開し、2015年度時点で100億円の事業規模を2020年までに倍増することを目指す。

 「1994年に国内で初めてファイアウォールサービス提供開始から現在までセキュリティ事業を展開してきた。今年度からセキュリティ部門を独立し、お客さまが脅威を感じずインターネットを利用できるよう環境を提供することを目指していく」(代表取締役社長 勝栄二郎氏)

IIJ 代表取締役社長 勝栄二郎氏
IIJ 代表取締役社長 勝栄二郎氏
IIJ セキュリティ本部長 齋藤衛氏
IIJ セキュリティ本部長 齋藤衛氏

 具体的には、セキュリティ対策へのニーズが高まっていることからセキュリティ部門が独立し、(1)人材育成、(2)情報分析基盤やサービスのシステム面、(3)セキュリティ本部、セキュリティ監視センター(SOC、オペレーションセンター)などの体制や設備――の3つを強化していく。

1TbpsクラスのDDoS攻撃に対応

 セキュリティ事業の新ブランドwizSafeは、さまざまな分野に熟練した「職人」を指す“wiz”と「一緒に」「ともに」を意味する“with”、「知恵」を意味する“wisdom”に「安心」「安全」を意味する“safe”を組み合わせて作った名称。インターネットを利用する企業が安全を当たり前に利用するセキュリティサービスとすることを目指している。

 2つの強化ポイントのうち人材育成については、社内で知識や経験、チームワーク、倫理観、熱意をもったセキュリティアナリストを育成。社外向けにも海外をはじめとしたイベントへ講師、トレーナーなどを派遣している。学生向けにはインターンシップを実施している。

 「元々、社内教育は実施していたが、今回の人材育成にともない社外人材の教育にも注力していく」(セキュリティ本部長 齋藤衛氏)

 情報分析基盤は現在開発中で、12月から稼働する見込み。IIJがインターネットサービスプロバイダー(ISP)だからこそ得られる情報、セキュリティサービスで獲得した情報、独自調査や研究によって得られた情報、公開情報などをデータ解析によってリアルタイム脅威検知と、最新の攻撃に対する研究を行う。セキュリティアナリストチームがこの情報を参照し、適切に対応していく。

 「個々のお客さまの情報分析だけでは発見できない脅威を、複数のお客さまの情報を同時に解析する当社の情報分析基盤を活用することでいち早く攻撃の兆候をつかんで多くのお客さまを守るために活用することを目指す」(齋藤氏)

 情報分析基盤を活用した新たな取り組みとしては、DNS情報などを活用した脅威サイトのブロックなどを行う。これは、情報分析基盤に蓄積された過去の脅威データ、外部情報、ユーザー企業のログ情報を総合的に分析。この分析で得られた情報をもとに、インターネットで起きている脅威を把握。そこで得られた情報をもとにした脅威サイトのレピュテーション情報から、マルウェアに対する適切な予防措置をユーザー企業に提供する。

 ファシリティとしては、2017年3月頃までにセキュリティ上の示唆を得るための情報を大画面に表示するなど、「見た目も格好いいオペレーションセンターを開設する。ここは見学可能な施設となるとともに働いているスタッフへのインセンティブの意味を込めた、モチベーションが上がる格好いい施設を目指す」(齋藤氏)予定だ。

 ユーザー企業の機密情報など外部に流出できない情報を扱う「セキュリティラボ」も新設する。堅牢な設備と厳重なセキュリティ管理を実現した場所として活用していく。

 こうした注力とともに、2017年3月から新事業としてユーザー企業ごとのSOCである「IIJ C-SOCサービス」を提供する。「以前から限定的にお客さま専用SOCも提供していたが、今回からより広く提供を開始する」(齋藤氏)

 ユーザー企業別SOCではあるがバックボーンとして情報分析基盤で取得した情報も活用し、ユーザー企業別SOCであっても通常のSOC同様、レベルの高いセキュリティサービスを提供していく。

 2017年1月には既存サービスである、分散型サービス妨害(DDoS)攻撃に対応したサービス機能を強化し、1Tbpsクラスの攻撃に対応する。「すでに1Tbpsを超える規模のDDoS攻撃が行われた。今後、増加が考えられる大規模なDDoS攻撃に備えるために、お客さまごとに保護する帯域の量拡大を実施する」(齋藤氏)

 増加傾向にあるウェブ経由でのマルウェア感染を防ぐために、従来の手法では防ぎきれない攻撃に対してウェブを分離してマルウェア感染の危険を減らす対策をリリースすることも予定している。

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