人工知能(AI)

NEC--AIによるデジタル産業革命で価値創造へ - (page 2)

大河原克行

2016-11-02 15:35

 1つは10月31日に発表した「NeoFace Image Data mining」である。

 NEC the WISEで提供している顔認証技術と時空間データ横断プロファイリング技術という2つのAI技術を組み合わせて実現したソリューションで、対象者の顔を事前登録することなく、大量の顔データから、短時間に同一人物の特定を可能にするというものだ。

 そしてもう1つは、この基調講演で初めて発表した「自動応答ソリューション」である。

 従業員からの問い合わせに応対するコンタクトセンターにおいて、迅速に、的確に回答することを支援するソリューションだ。

 NEC the WISEのテキスト含意認識技術を活用し、問い合わせ内容の意味を理解し、大量のQ&Aデータから、最適な回答案を高精度に抽出。ユーザーに自動回答を行ったり、オペレータを支援したりできる。

 NECマネジメントパートナーが受託および運営するNECグループ向けコンタクトセンターで試行したところ、各問い合わせに対して抽出された回答案の正答率が90%以上であり、オペレーターの作業時間を30%以上削減できるという。2017年3月から提供を開始する予定だという。

 さらに、大阪大学とは、ポストディープラーニングを実現する脳型情報処理アーキテクチャの確立で共創。産業技術総合研究所とは、データ蓄積が少ない場合でもシミュレーションとAIを融合して、人の意思決定を支援する技術を開発。東京大学とは脳・神経系を模倣した超低消費電力AIプラットフォームの研究などを行っているという。

 コネクティビティにおいては、NECが開発に協力している衛星はやぶさや、地球6周に匹敵する25万キロメートルもの敷設実績を持つ光海底ケーブル、新たなネットワークとして注目を集めるSDNにおいて、高い実績を持つことを強調。「これからもIoTデバイスとの通信、5Gなどの無線通信技術、変種変量データ通信を通じて、顧客のコネクティビティを最適化する役割を担う」とした。

 セキュリティに関しては、「さまざまなモノがつながる世界においては、1つのセキュリティホールがバリューチェーン全体に影響を与えることになる。セキュリティはますます重要になる」と前置きし、「NECは、ITシステム、OTシステム、IoTシステムといったリアルとサイバーを含めたバリューチェーン全体を対象にした、さまざまな脅威に対応できる先端セキュリティ技術を提供する。

 現在、自己学習型システム異常検知の開発を進めており、未知の攻撃や故障も検知できるようになる。この技術は、クライアントで動作する監視ソフトウェアは軽量であり、リアルタイムでの異常検知が可能。そして、被害端末のみを自動的に隔離し、システム全体を止めずに被害範囲の拡大を極小化することができる」とした。

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