NECは10月31日、IoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」においてエッジコンピューティングを実現するIoTデータ収集基盤「エッジゲートウェイ」を開発したと発表した。2017年3月に出荷予定。
エッジゲートウェイ本体画像(NEC提供)
エッジゲートウェイは、通信ネットワークに接続できない機器や各種センサなどと接続できる多種多様なインターフェースを装備し、さまざまなデバイスのデータ収集を可能にするもの。
仕様の異なる多くのデバイスデータを分散処理することにより、機器のリアルタイムな制御や、クラウド連携時におけるネットワーク負荷低減にも寄与するほか、不正なデバイス接続やウィルスなどによる不正な通信を防止する機能も搭載しており、現場機器の安全なクラウド連携を実現するという。
装置構成イメージ(NEC提供)
主な特徴は以下の通り。
ネットワーク非対応機器の見える化と共創によるIoTサービスの創出
RS-232C、RS-485、USBなどの有線インタフェースと、920MHz無線、Wi-Fi、Bluetooth、LTEなどの無線インターフェースに対応。工場や店舗などに多数設置されている通信ネットワークに接続できないさまざまな機器や、カメラ、温湿度センサなどを接続してデータを取得し、クラウド連携により可視化することができる。また、取得したデータを活用し、顧客とともに課題の発見や仮説検証を行いながら、本基盤を活用したIoTサービスを共創することが可能。
分散処理によるリアルタイムな制御や運用管理の効率化を実現
機器やセンサから収集したデータの全てをクラウド上で処理すると、ネットワークやクラウドの負荷が高まり、データの処理時間などが悪化する可能性があるが、本基盤が機器やセンサから取得したデータの処理の一部を担うことで、通信負荷を分散させ、データ処理の高速化やデバイスのリアルタイムな制御が可能となる。
また、クラウド側から遠隔でファームウェアやアプリケーションのアップデートや、仕様の異なる機器のデータの整理・吸収が可能なため、機器情報を一元管理できる。
現場機器データの情報漏えいを防ぐセキュリティ対策
不正なUSB機器接続やマルウェアによる意図しないネットワークアクセスを防止するホワイトリスト型のセキュリティ機能により、データの情報漏えいを防止し、現場機器の安全なネットワーク接続を実現する。
堅牢性や耐環境性を確保
ファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」や製品組込み事業で培った堅牢なハードウエア構造(ファンレスなど)を採用。また、接続機器からのノイズ対策を施したインターフェースや広い動作温度を確保し、さまざまな組み込み環境にも対応可能。