Microsoftは米国時間11月3日、「Windows Insider Program」に参加し、Fast(高速)リングを選択しているモバイル機器ユーザーとPCユーザーに対して、「Windows 10」の次期大型アップデート「Creators Update」(開発コード名:「Redstone 2」)の新たなプレビュービルド「Build 14959」をリリースした。同社によると、今回のモバイル機器向けビルドでは、「Unified Update Platform」(UUP)という新たな基盤テクノロジを採用しているという。
UUPについて、同日付けのMicrosoftブログには以下のように記されている。
「顧客からは、アップデートをよりシームレスなものにしてほしい、アップデートがインストールされるタイミングをより詳細に制御できるようにしてほしい、アップデート時のローカル側での処理負荷を軽減してバッテリの消耗を抑えてほしい、ダウンロードサイズを小さくしてほしいという要望が寄せられていた。(中略)われわれは、Unified Update Platform(UUP)という次世代の配信テクノロジを最新のInsiderビルドで採用したことをここに発表する」
MicrosoftはUUPの採用により、Windows 10のメジャーアップデートから次のメジャーアップデートに移行する際にダウンロードするパッケージのサイズを約35%削減できると見込んでいる。というのも、ダウンロードパッケージには、ユーザーがWindows 10デバイスを前回アップデートした後で公開された変更のみが含まれるようになるためだ。現在のダウンロードパッケージには、これまでの変更すべてが含まれている。
Insider Programに参加していないメインストリームユーザーがUUPのメリットを享受できるようになるのは、Creators Updateの後に予定されている機能アップデートからである(2017年春にリリース予定のCreators Updateを適用した後で、2017年後半のリリースが見込まれている次のアップデート、すなわち開発コード名「Redstone 3」を適用する時)。
Microsoftは同日より、Insiderビルドが稼働している「Windows 10 Mobile」を対象にUUPのテストを開始する計画だ。さらに、PC向けのInsiderビルドが稼働しているWindows 10、続いて「Windows 10 IoT」や「Microsoft HoloLens」に展開する予定だ。同社によると、Windows 10が稼働する「Xbox One」はアップデート方法が異なっているため、UUPは採用されないという。
MicrosoftでWindows Insider ProgramおよびOS基盤担当のプログラム管理ディレクターを務めるBill Karagounis氏によると、同社がこの種の差分アップデートテクノロジを今回提供できた背景には、プラットフォームをまたがった各種のWindows 10ビルドに含まれているものを収れんさせてきた成果があるという。
3日に提供されたWindows Insider ProgramのFastリング向けビルドでは、この他にも数々のフィックスやアップデートがPC向けおよびモバイル機器向けに提供されている。PC向けのBuild 14959には、仮想マシンのディスプレイを制御するための新たなズームオプションが含まれている。また、Insiderビルドにつきものの既知の問題が複数確認されてもおり、それらについては同ブログ投稿で詳細が説明されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。