ヴイエムウェアは11月7日、都内で記者会見を開催し、vCAN(vCloud Air Network)パートナーと呼ぶ、VMwareベースのクラウドサービスを手がける主要な国内パートナー企業6社を紹介した。「国内でクラウド利用を推進するためには、クラウドサービス事業者各社とのパートナーシップが重要」と説明した。
国内でVMwareベースのクラウドサービスを手がける主要なvCAN(vCloud Air Network)ベンダー。左から、インターネットイニシアティブ、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、米VMwareのPat Gelsinger CEO、ヴイエムウェアのJon T Robertson社長、ニフティ、日本IBM、富士通
同社は現在「Cross Cloud Architecture」と呼ぶITプタットフォームのアーキテクチャを推進している。これは、クラウドやデバイスを問わず、共通の運用環境でアプリケーションを実行、管理、接続し、同時に安全性も確保できるアーキテクチャを指している。共通の運用管理手法でマルチクラウドを利用できるようになる。
Cross-Cloud Architectureを実現するソフトウェア製品群として同社は、VMware Cloud Foundationを提供している。サーバ仮想化のVMware vSphere、ストレージ仮想化のVMware Virtual SAN(VSAN)、ネットワーク仮想化のVMware NSX、管理ソフトのVMware SDDC Managerで構成する。
ブイエムウェアで代表取締役社長を務めるJon Robertson氏
vCANパートナー各社は、これらのソフトウェアを使い、企業の需要に応えるデータセンターを構築して提供する。ブイエムウェアで代表取締役社長を務めるJon T Robertson氏は、「高い信頼性の要求など日本市場のニーズに応えるためには、vCANパートナーである日本のクラウドサービスプロバイダーと組む必要がある」と、vCANパートナーの重要性を説く。
米VMwareで最高経営責任者(CEO)を務めるPat Gelsinger氏
「データセンターを自前で作るのではなく、信頼できるパートナーに任せるようになる」と、米VMwareで最高経営責任者(CEO)を務めるPat Gelsinger氏は指摘する。「2016年は、サービスプロバイダが構築するデータセンターの数が、ユーザ企業が構築するデータセンターの数を上回る転換期となる」(Gelsinger氏)
Gelsinger氏は、同社の調査チームが調べた、2006年から2030年までのクラウドサービスの成長の歴史も紹介した。2006年時点ではITシステムの98%は従来のハードウェアで実行されていた。5年後の2011年時点ではパブリッククラウドが7%でプライベートクラウドが6%、2016年現在はパブリッククラウドが15%でプライベートクラウドが12%にまで伸びた。
今から5年後には、パブリッククラウド(30%)とプライベートクラウド(20%)を合わせて、クラウドがITワークロード全体の50%を占めるようになるという。さらに、2030年には、ITワークロードの半数以上、52%をパブリッククラウドだけで占めるようになる。この時のプライベートクラウドの利用率は29%で、従来型のハードウェアを使ったシステムはわずか19%となるとしている。