——BenevolentTechではどのような役割を担っているのでしょうか?
われわれはここで、創薬プロセスに注力しています。ここで働く専門家たちに尋ねれば、ある種の企業における創薬プロセスはうまく機能していないという答えが返ってくるでしょう。とてもコストが高くつくのです。そうした企業では、一定の数の候補を選び出した後、すぐさまそれらに飛びつき、プロセスを最後まで推し進めようとします。
創薬には多大なコストがかかります。臨床試験を実施し、完了させる必要もあります。その戦略は、多くの医薬品をできる限り迅速に開発するというものです。
ここでわれわれが行っているのは、アイデアをたくさん生み出し、数多くのパターンに目を向け、膨大な文献に目を通し、コンピュータを用いてこれらのパターンや文献をすべて調べ上げ、有望な候補を洗い出すということです。
われわれは自社の科学者らに膨大な数の候補を提案した後、それら候補を極限にまで絞り込むために手を貸すのです。
従来型の企業では、あまり時間をかけずに少数の候補を選び出した後でそれらに飛びつき、長すぎるとも言えるほどの時間をかけて注力しています。
そうした企業の場合、大金を投じた末に、注力してきた医薬品では何らかの理由で期待通りの効果が出ないという結果に直面することもあります。
このため(BenevolentTechでは)、早い段階で候補を絞り込むとともに、そのためのツールの改善にも取り組んでいます。
——BenevolentTechは、事業を開始してからどのくらいたっているのでしょうか?
私はまだ入社したばかりですが、会社自体は2年たっています。会社は何人かの(AI)専門家と、何人かの創薬専門家を集めるというかたちで始まりました。私のここでの役割は、現在のプロセスにさらにAIを取り込むことで、成果物により注力するとともに、商品化に近付けていくことです。
現在既に、われわれが開発した一連のツールによって、創薬の専門家の作業効率を向上させるという効果が生み出されています。