海外コメンタリー

AIで創薬に要する期間の短縮目指す--英新興企業幹部に聞く - (page 4)

Colin Barker (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2016-11-11 06:00

——(臨床試験は)製薬会社とともに実施しているのですよね?

 そこが非常に興味深い点です。今日では、極めて小規模な企業でもこういったことが可能なのです。このため、われわれも24人のバイオ関連の専門家を雇用しています。テストや臨床試験などはすべてアウトソーシングできるため、これら24人の専門家によって医薬品を市場に送り届けるところまでのプロセスを遂行できるのです。もっとも、われわれは医薬品のライセンス供与を行う可能性もあるため、自らの手で医薬品を市場に送り届けることになるかどうかは分かりません。

 まだその段階にまでは到達していませんが、会社が大きく成長した暁には、そのまま商用化の道を歩むかもしれません。今のところは、どうなるかまだ分かりません。

——ある意味において、製薬会社をリードしているのでしょうか?

 われわれは製薬会社にライセンスを供与できます。しかし、それには実証できる成果を手にしていなければなりません。そういったものがあって初めて、ライセンス供与が可能になるのです。

 また、場合によってはライセンスイン(他社ライセンスの導入)も行っています。というのも、製薬会社が開発したものの、期待通りの効果を発揮しなかった化合物のなかには、われわれの研究によって他の目的で利用できると明らかになる化合物もあるためです。これはドラッグリポジショニング(DR)と呼ばれています。

——すべてはメインフレームを使用して行っているのでしょうか?

 いいえ、すべてはクラウド上で実行しています。9月に導入を発表したばかりの「NVIDIA DGX-1」の他にも、ディープラーニング用のマシンを数台保有しています。クラウド上での実行が難しい作業も一部ありますが、ほとんどの作業をクラウド上で実行しようとしています。

——現時点で力を入れている分野は何でしょうか?

 さまざまな疾病関連の分野に力を注いでいます。パーキンソン病やアルツハイマー病といった神経変性疾患や希少がんに注力しています。

 しかし、われわれが立証しようとしているのは、AIによる新たな創薬プログラムです。われわれは次の3年で、幅広いさまざまな創薬プログラムを作り出そうとしているのです。

 われわれはこの分野において、AIが本当に有用であるという事実を皆に知らしめたいのです。

——すべての文献を読んだとおっしゃいましたが、本当に(文字通り)読んだというわけではないですよね?

 われわれはすべてをスキャンし、その内容を分析しました。薬品とは何か、遺伝子とは何か、標的とは何かなどです。われわれは手に入る限りの認可された情報源からの公開情報と、半公開情報を処理しています。

 その後、興味を持っており、システムにクエリを投げかけられる創薬の専門家を連れてくれば、われわれのシステムが可能性のあるアイデアを生み出してくれるというわけです。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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