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日本株展望

トランプ・ショック後の日経平均見通し - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-11-10 11:29

トランプ氏はこれまでの「過激発言」を修正できるか?

 今後、トランプ氏から、以下(1)~(3)につながる発言が出れば市場に好感される。

(1)共和党主流派との和解を目指す発言

 共和党は今回の選挙で、米議会の上院でも下院でも多数派を確保した。したがって、共和党のトランプ大統領は、やりようによっては強い大統領になることができる。

 ただし、トランプ氏がこれまでのように共和党主流派と反目したままだと、何も実行できなくなる。トランプ不支持を表明した共和党議員まで含めて、共和党主流派と融和をはかる姿勢を見せると、政策運営がスムーズに運ぶ。

(2)国際社会との繋がりを重視する発言

 トランプ氏は、これまでイスラム教国を目の敵にする発言を繰り返してきた。このままでは、サウジアラビアなど中東の親米国との関係まで悪化する懸念がある。

 また、米国に工業製品を輸出する国々(メキシコ・中国・日本)を米国の雇用を奪うと非難し、自由貿易を否定する主張を繰り返してきた。米国が保護貿易主義に走れば、世界経済にも米国経済にもダメージが及ぶと懸念されていた。今後、こうした海外に対する攻撃的発言を控え、現実的な外交・経済戦略を目指す姿勢を見せれば好感される。

(3)大規模な景気対策(公共投資)を実行し、米景気を強くする発言

 かねてから、社会インフラ再建のために大規模な公共投資を実行する方針は打ち出していた。世界的に金融政策で景気を回復させることの限界が意識される中、米国が公共投資を強化する姿勢を見せれば、世界景気にも好影響が及ぶと考えられる。

 トランプ氏が突然金融市場に好感される人物に変わるわけではないが、勝利宣言の文言は、とりあえず上記(1)~(3)につながる内容を含んでいたので好感された。

 上記(1)~(3)の中で、トランプ氏にとって一番の難題は、「(2)国際社会との繋がり重視」の姿勢を示すことだ。NAFTA(北米自由貿易協定)やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の否定、高率の輸入関税導入などの過激発言を繰り返して米国民の歓心を買ってきただけに、大統領になった途端に現実路線に戻ると、熱狂的な支持者から反発を受けることになる。

トランプ氏当選で、12月の米利上げは無くなったか?

 日本株に大きな影響を及ぼすのは、トランプ氏の為替・金融政策についての発言だ。トランプ氏は、ドル高が米国の製造業を苦しめていると繰り返し発言してきた。日本を「為替操作(円安誘導)国」と非難し、円高(ドル安)が進むきっかけを作った経緯がある。

 ドル高につながる米利上げにも反対する姿勢をとってきた。昨年12月に利上げを行った米FRB(中央銀行)イエレン議長を批判し、「大統領になったらイエレンは(FRB議長に)再任しない」と発言している。

 米景気はゆるやかに回復に向かっており、12月には再利上げの可能性が高まっていると考えられていた。ただし、米利上げは、もはや重大な政治問題となっている。トランプ氏が大統領に当選したため、12月の利上げは難しくなったと考えられる。

 トランプ氏がこれから米利上げに否定的な発言を繰り返すと、世界の株式市場にはプラスに働くが、円高(ドル安)につながりやすいため、日本株には逆風となる。トランプ氏の発言次第では一段の円高が進み、日本株が売り込まれるリスクもある。

日経平均の見通しは?

 トランプ氏が反資本主義・反グローバル主義の過激発言を続けると、円高が続き、日経平均の下落が続く可能性があった。ただし、自身が不動産王と言われる経営者でもあるトランプ氏が、ただ資本主義を破壊するだけの発言を繰り返すとは考えられない。

 インフラ再建のための財政出動や減税など、米景気を強くする政策に力を入れると思われる。共和党主流派を巻き込んで、「強いアメリカ経済を復活させる」ことに、かなりのエネルギーを注ぐと予想される。

 日本株にとって、トランプ氏の保護貿易発言は逆風となるが、米景気を強化する経済政策は追い風となる。トランプ大統領への恐怖が収まり、米景気の回復色が強まる見通しがたてば、日経平均は再度上値トライすると考えられる。その可能性がどれくらいあるか、ここからトランプ氏の政策を慎重に見極めていく必要がある。トランプ氏の経済政策について、継続して報告していきたい。

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