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日本株展望

トランプノミクス相場は続くのか - (page 2)

ZDNet Japan Staff

2016-11-11 11:22

市場の関心はファンダメンタルズに移るか

 意外な結果はともかく、米大統領選挙の実施は「政治イベントの終了」を意味する。株式市場は不透明感(不確実性)を嫌うので、今後ビジビリティ(先行きの見通し)が改善するのは好材料となりそうだ。

 選挙運動中のトランプ氏は「ポピュリズム(大衆迎合)」とやゆされる過激な発言を繰り返し、資本主義、グローバル化、自由貿易、移民増加に反対する非現実的な公約を示し、経済格差に不満を抱く白人のブルーカラー層を中心に支持を集めてきた。

 選挙戦中に共和党の主流派幹部がトランプ氏と対立した経緯があり共和党内の修復が不可欠だが、上院・下院議会とホワイトハウスの全てが共和党の政権が誕生し、政治の安定性と政策遂行の自由度は高まりそうだ。その中で、政治経験がないトランプ氏が政策を実行していくには、共和党や両議会の協力を得る必要があり、選挙戦中に主張した過激な政策を実現するのは困難だ。

 一方、日本の外務省は、安倍首相とトランプ氏の初会合を来週17日に設定する素早さをみせた。トランプ氏は、電話で当選を祝福した安倍首相に「日米関係は卓越したパートナーシップであり、さらに強化していきたい」と明言し、「安倍首相の経済政策を高く評価している。今後数年間、ともに働くことを楽しみにしている」と述べたそうだ。

 来週の日米(新)首脳会議で両国の緊密な関係維持が確認されれば、貿易や安全保障を巡る過度の悲観が後退する可能性がある。

 中長期の時間軸でみると、新しい米大統領政権誕生に伴う政治的な不透明感が後退するにつれ、市場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に関心を移していくと考えられる。日米株式市場の業績見通しとバリュエーションを主要市場指数ベース(S&P 500指数とTOPIX)で一覧してみると、2017年の業績見通しはともに増益(市場予想平均)で、新年を視野に入れた予想株価収益率(PER)に割安感がある。

 例えば、日本株(TOPIX)の17年予想PERは12.5倍、予想株価純資産倍率(PBR)は1.1倍、予想配当利回りは2.3%であり、超低金利環境を加味したバリュエーションに割安感は否めない(図表3)。

 今後の米政治経済動向に楽観はできないが、「トランプ新大統領の世界」を巡る不透明感が後退するなら、米国株の堅調でリスクオン(選好)姿勢を回復した外国人投資家が、業績見通しや割安感の面で日本株を見直してくる可能性は高いと考えられる。

図表3:日米株式の業績見通しとバリュエーション指標

図表3:日米株式の業績見通しとバリュエーション指標
※業績予想やバリュエーション指標は指数ベースの1株あたり利益(EPS)、1株あたり純資産(BPS)、1株あたり配当(DPS)の市場予想平均(Bloombergによる集計)にもとづく。(出所)Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(11月9日時点)

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