上司と部下の対話量を増やし、目標設定からフィードバックまでのサイクルを早めることで、各従業員の成長を促すことが狙いである。
ミレニアル世代の特徴で見たように、近年のパフォーマンスマネジメントでは、より短サイクル・継続的なフィードバック、そしてデータに基づく評価(評価者のさじ加減による評価からの脱却)が重視されている(図3)。
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)でも同様に、これまで膨大な時間と労力を投入して行ってきたパフォーマンスマネジメントを改め、GEと同様、コミュニケーションを中心とした仕組みに移行した。従来の評価に投入されるエネルギーに比して、人材育成という得ることのできるはずの対価が、あまりにも少なかったのがその理由だ。
「チェックイン」~フィードバックの高速化
パフォーマンスマネジメントの見直しの、目玉の取り組みの1つが「チェックイン」だ。チェックインは、パフォーマンスに関する上司・部下の頻繁なコミュニケーションを指す(図4)。
チェックインの狙いは、週あるいは隔週単位で、その期間の部下の良かった点・改善が必要な点について、「成長」にフォーカスして高い頻度で、お互いに話し合うことで、実際の業務のスピード感に合わせた、育成の加速化を実現することにある。
従来の年に1回~数回あるかないか、それも評価結果を伝えることに終始しがちな形式的なフィードバック面談では得られなかった「成長実感」を、この仕組みで従業員一人ひとりが感じられるようになることを目指している。