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デジタル人事の時代

人材獲得競争時代の生き残り策--ミレニアル世代とどうつきあうか - (page 4)

田中公康 平野圭祐

2016-11-16 07:00

「パフォーマンスマネジメント」をアプリで実現

 画面にログインするのが手間、保存に時間がかかる、書くことが多いうえに難しい。いわゆる従来型の「評価制度」を前提とする人事システムに、多くの方が一度はこのような感想を持ったことがあるのではなかろうか。新しいパフォーマンスマネジメントには、よりアクセスしやすく、より手軽にコミュニケーションをとれるようなシステムが重要であり、そこで注目を集めているのがスマートフォン上で操作から入力までを完結できるアプリである。

 DTCは、クライアント先への常駐の多いコンサルタントの仕事の仕方を踏まえ、いつでもどこでもクイックにチェックインができるように、スマートフォンアプリを開発。自社内の実験活動に着手している(図5)。

図5

 このアプリは、ユーザーに気軽にチェックインに取り組んでもらえるように、人事システムにありがちの「固さ」を取り除き、ユーザー目線に立脚した使い勝手とデザインを採用している。日本では馴染みの薄いチェックインを、アプリを入り口に浸透させることが目的だ。

 このアプリを介してチェックインで交わされるフィードバックのデータを蓄積、従業員の実際の成長との因果関係を分析することで「良いフィードバック」の抽出が可能となる。

 また、チェックインを切り口に、退職や健康といった人事データと絡めて分析することで、リテンションやワークスタイルの施策につなげることも期待できる。例えば近年、一部の先進企業で従業員の年代や階層、報酬や過去の評価・異動歴や労働時間といった様々なデータを分析して休職や退職リスクを分析する手法への注目が高まっているが、チェックインを通じて従業員から得られる鮮度・頻度の高い情報は、分析の精度を大いに高めることが見込まれている。

 「チェックイン」のような新しい仕組みを入れる際には現場の抵抗を招くことが多いが、アプリの手軽さやシンプルさはユーザーとしての興味を惹き、抵抗を和らげることにも一役買う。シンプルさは、同時に現場の既存の取組みとの融合を図りやすくする面もある。

 OJTとしてのさまざまなコミュニケーションの一部をアプリ上で促すことができれば、高い頻度での育成コミュニケーションとその内容のデータ化が実現する。それはまさに、パフォーマンスマネジメントの目指すべき姿のひとつである。

結び

 ミレニアル世代の登場により、企業の人材施策は大きく変わりつつある。「雇う」・「雇われる」関係から、よりフラットに企業と従業員が高めあえる関係をお互いに模索し、取り組む機会を作り続けることが求められる。次号以降は、実際にSMAC技術を活用して人事機能の高度化を図ろうとしている企業や、その実現を支援している企業の取り組みを紹介したい。

田中公康(デロイト トーマツ コンサルティング ヒューマンキャピタルユニット マネジャー)
外資系コンサルティングファーム、IT系ベンチャー設立を経て現職。デジタルテクノロジを活用した新しい組織・人事ソリューションの開発に従事。 直近では「デジタル人事」領域の推進リーダーとして、ワークスタイル変革以外にもクラウド、 ソーシャルメディア、ビッグデータを組織・人事の世界に応用し、 生産性向上や職場環境の改善を積極的に推進している。
平野圭祐(デロイト トーマツ コンサルティング ヒューマンキャピタルユニット シニアコンサルタント)
「デジタル人事」領域の中心メンバーとして、テクノロジーを用いた新しい人材マネジメントやワークスタイル変革のR&Dならびにクライアントサービスに従事。加えて、豊富な海外経験を有し、東南アジア・欧州における赴任に裏打ちされた日系企業の海外展開のコンサルティングを得意としている。Workday HCM資格を保有。2016年現在、インドネシア・ジャカルタに駐在し、日系企業を対象に東南アジア地域におけるコンサルティングサービスを推進。

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