小売業界の破壊と変革

レガシーシステムに固執しない--デジタル変革へのステップ - (page 3)

福田壮

2016-11-17 07:00

 またクラウドはこのような俊敏性の確保だけでなく、休日やセール時などのユーザーからのサイトアクセスが集中する時間帯のみハードウェアリソース(CPUやストレージなど)を拡張できるなど、伸縮性のあるキャパシティを確保する点でも大きく貢献するだろう。

 個人や会社貸与のモバイル、街中や店内における最新技術を使ったサイネージなど膨大な数のデバイスが溢れかえる中、小売業は、消費者へリーチするデバイスを見極めるとともに、消費者が自社システムにアクセスしてくる際のデータセキュリティ管理についても考慮しなければならない。

 昨今ではBYOD(Bring your own device)を活用した店舗オペレーションを検討する企業も増えてきた。ITコスト負担を軽減しながら、セキュリティを考慮したデータアクセス管理を実現するには、SaaS(Software-as-a-Service)ソリューションなどを活用するのも1つの手段であろう。

 デジタル化が進むと、企業内外からのデータトラフィックが増えることは言うまでもない。特にクラウドやモバイルを活用することによって、セキュリティリスクの可能性が増え、受動的な対策では限界がくるだろう。アクセンチュアでは、そのような脅威を極小化・無効化するような能動的なセキュリティ対策を提唱している。

 これからの小売業では、従来のようなソフトウェアなどによるセキュリティ対策のみでなく、最新テクノロジを活用した認証機能や、アナリティクスを駆使したサイバー攻撃の事前検知など、デジタル技術を活用したセキュリティ対策を検討していくことも重要になってくる。

ポイント3:データ変革でシームレスな顧客体験を実現する

 小売業には、POSデータ、ソーシャルメディア上の情報、物流配送、在庫移動、従業員データなど、膨大なデータであふれており、アナリティクス技術を駆使することで、購買実績を元にしたパーソナライズドレコメンドや、発注・在庫・需要の予測などを科学的根拠に基づいて行うことができる。以下に実践する際の方向性を3つご紹介する。

(1)データ連携と精度の追求

 消費者・店舗・本部・取引先、それぞれのデータが分断されている場合、企業は、消費者が何を求めているのか、どのようなアクションを取ればよいかを正確に判断することは難しい。消費者行動、POSデータ、本部の営業機能やバックオフィスデータ、取引先との連携データなどをシームレスに統合管理することで、消費者のニーズを把握し、その上で取るべきアクションを迅速に判断できるようになる。

 また、サプライチェーンにおけるデータ連携のみならず、店舗における在庫状況を「見える化」するなど、消費者の信用や期待を裏切らないためにも、データの精度や正確性も追求すべきであろう。

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