アクセンチュアは11月9日、同社が主催するプログラム「アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボ」で、日本のスタートアップ企業1社を含む8社が、新しい金融テクノロジをデモンストレーションしたと発表した。
このプログラムは、2014年6月から開催されており、毎回、12週間にわたるメンタリングプログラムが展開される。アジア・パシフィック地域におけるフィンテック領域でのイノベーションの推進やハイテク分野での雇用拡大を目的としており、スタートアップ企業と世界有数の大手金融機関の経営陣とをつなぐイベントという。
アジア・パシフィック地域のフィンテック投資は、中国企業への投資が大きくけん引し、2016年1月から9月の9カ月間で105億ドル近くに達している。
アジア・パシフィック地域のフィンテック投資の案件数と投資額(2016年1月~9月)
このプログラムでは、「投資家の日(Investor Day)」が設けられ、フィンテックスタートアップ企業による、数十社の大手金融機関やベンチャーキャピタルなどへの、デモンストレーションが香港のサイバーポートで実施された。
今年の同プログラムに登場する8社は、応募のあった約100社の中から、参画する金融機関のIT上級役員により選出された。これら8社は、12週間にわたり集中メンタリング、製品・事業開発に関するアドバイス、大手金融機関やテクノロジ企業、ベンチャーキャピタルの上級役員と接する機会が提供された。
このプログラムに関わったパートナー金融機関はバンクオブアメリカ・メリルリンチ、BNPパリバ、オーストラリア・コモンウェルス銀行、クレディ・スイスなど12社で、これらに加え、野村グループ、三井住友フィナンシャルグループ、中信銀行国際、中国建設銀行(アジア)などが準パートナー金融機関として参画している。
日本企業で選定されたSIORKは、 先進国と新興国双方で金融機関による顧客データを分析し、不正・マネーロンダリングなどの犯罪行為の検知を支援している。同社の製品は、人工知能(AI)の学習能力を活用した、漢字のあいまいマッチング・アルゴリズムを採用している点に特徴があり、金融機関が顧客名など漢字を含む詳細データや、非構造化データを分析することを可能にする。