金沢工業大学と日本IBMは、IBMのコグニティブコンピューティングを活用した学生の自己成長支援システムの構築で協力すると発表した。
正課、課外における膨大な学習成果を人工知能(AI)で評価、検証し、それに基づいて、各学生に合った学習機会を的確、タイムリーに提供するのが狙いとする。
学生の自己成長を支援する「コグニティブキャンパス」の実現を目指す。コグニティブキャンパスとは、学生、教職員、ステークホルダーが学んだ履歴を、IBMのコグニティブ・コンピューティング・システムを使ってナレッジとして蓄積し、学生の成長に応じた意思決定支援など、自己成長を支援する次世代キャンパスの総称。AIを駆使することで、次世代のイノベーションを創出できる人材育成を全学的に展開する。
教育付加価値日本一を目指すとする金沢工業大学。教育課程に基づく教育と、学生が自主的、主体的に取り組む141の課外教育プログラムを連携させた年間約300日の学習支援体制を構築しており、学生の主体的な活動による教育の量の確保を目指している。
さらに、文部科学省の「平成26年度大学教育再生加速プログラム」に採択され、授業で学ぶ内容と課外教育プログラムとの関連を明示する「eシラバス」の運用を2016年度から本格的に開始するなど、7000人の学生一人ひとりが主体的に学べるように支援する教育システムの整備を進めている。
こうした取り組みを進め、さまざまな学習成果をビッグデータとして蓄積する中で、これまでの評価システムを進化させることで、学生の4年間の活動の質を適切に評価検証することが求められているという。
AIを導入することで、学生が蓄積した活動を評価、検証するとともに、各学生の自己成長を支援するシステムの構築を目指すとしている。
日本IBMは全世界で培ったノウハウを活用したコグニティブソリューションの適用を通じて、同大学を支援する。