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Windows Server 2016上で構成する“ハイパーコンバージドインフラ”とは - (page 2)

阿久津良和 羽野三千世 (編集部)

2016-11-15 07:00

 この点を改善したのがWindows Server 2016上でHCIを実現する、記憶域スペースダイレクト(Storage Spaces Direct:S2D)である。サーバに接続したSATAやSAS(Serial Attached SCSI)、NVMeといったストレージデバイスだけで、高可用性ストレージを実現できるのが最大の特徴だ。


HCI環境の構築ステップ。Windows Serverらしく短いステップで有効になる

 前島氏はS2Dの主な機能として「SSDキャッシュ」「ストレージのプール化」「スケール可能」の3つを並べた。

 まずSSDキャッシュは、ストレージのタイプに応じてキャッシュ用とデータ用を自動的に分類するというもの。パフォーマンスだけを求めればNVMeで構成すればよいが、現実的には難しい。そこでSSDやNVMeといった高パフォーマンスストレージを第1階層に割り当てキャッシュエリアとし、HDDもしくは安価なSSDを第2階層に割り当てて容量効率を高める仕組みだ。SSD+HDDの場合はリード/ライトキャッシュ、NVMe+SSDの場合はライトキャッシュのみといった構成になる。また、NVMe+SSD+HDDといった3階層構成も可能なため、比較的安価にストレージ環境を構築できる。

 2つ目のストレージプールは、複数のストレージを1つのボリュームにまとめ上げる機能。技術的には記憶域スペースをそのまま応用している。そして、3つ目に挙げた「スケール可能」とは、構成数の自由度を指す。S2Dでは最小2ノード、最大16ノードまでスケールアップ可能。前島氏は個人的推測であると前置きした上で、この最大ノード数は将来的に緩和される可能性があると述べていた。

 また、Microsoftが検証した結果として400台までのストレージデバイスをサポートしている。このS2Dは、HCIはもちろん、スケールアウトファイルサーバやSQL Server 2016用ストレージ、Microsoft AzureなどIaaS上のファイルサーバを冗長化するためのストレージ領域などに利用可能だ。DB用ストレージの場合、パフォーマンスやデータ容量が求められることが多いものの、「S2Dを使えば柔軟に管理できる」(前島氏)

 そのパフォーマンスについては、RDMA(Remote Direct Memory Access)やNVMe、そしてReFSの活用を推奨した。CPUを介在せずメモリへ直接アクセスするRDMAを使うことで約7割のパフォーマンス改善を見込めると同時に、CPU使用率の軽減やレイテンシ(遅延時間)の改善にもつながるため、「価格以上のメリットがあるので積極的に使ってほしい」と前島氏。ストレージとしてSATAとNVMeを比較すると、約3倍もパフォーマンスが向上する。そしてReFSはWindows 2012から実装していたファイルシステムだが、Windows 2016では本格的にNTFSからReFSに移行するという。ReFSを使用する場合、「100GB程度の仮想ディスクを作るときもNTFSは1分程度必要だが、ReFSなら数秒」(前島氏)で完了し、Microsoftの検証によれば、4ノードクラスタで約300万IOPS、16ノードクラスタで約500万IOPSを実現したという。「パフォーマンスで悩むことのない世界を味わってほしい」(前島氏)


Windows Server 2016 HCI環境ではRDMAやNVMeなどの採用が推奨される

 ネットワーク面もWindows Server 2016では改善がなされている。Windows Server 2012はRDMAを仮想NICに割り当てることができないため、チーミングを行う際はストレージ専用のNICと仮想マシン用のNICとして4ポート必要だった。これをWindows Server 2016ではSwitch Embedded Teamingによって統合し、仮想NICがRDMAに対応した。その結果、チーミング時のNICは2ポートで足りるためコスト削減につながる。前島氏はその他にも10GビットイーサネットやRDMAの選択を強く推奨した。


NICチーミングソリューションとしてWindows Server 2016に加わるSwitch Embedded Teaming

 日本マイクロソフトは顧客の要件に応じるため、CIとHCIの両方を引き続きサポートし、Windows Server 2016から構築可能になるHCIを指して、「既にMicrosoft Azureで実装した機能をWindows Server 2016に組み込んでいるため、機能的にはよい意味で枯れている。(Windows Server 2016)R2まで待つ必要はない」(前島氏)とアピールした。

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