誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~

汗をかく情シスの現場 - (page 2)

伊佐政隆

2016-11-17 07:00

現場のモチベーションを生み出すシステム

伊佐:いま、kintoneはどんな役割の方が使われていますか?

浅瀬石さん:アカウントは社内の全部署に発行しています。アプリケーションによっては、外部の協力会社にもアカウントを発行しています。

田中さん:デンマーク本社もアカウントを持っています。商品情報などをkintoneで共有しています。

伊佐:ほかには、どんなシステムが作られているのですか?

浅瀬石さん:いまは全部で15のシステムが稼働中です。面白かったのは、福袋の売上管理システムですね。

田中さん:季節限定キャンペーンとなる福袋の売上や在庫状況を、簡単に確認できるシステムです。特定の商品の売上や在庫状況をみることは販売管理システム上、多くの行程が必要になってしまうのですが、DataSpirder連携とkintoneで簡単に自店売上や他店売上を日次表示させることができました。また、kintoneのグラフを使用したので、店舗ごとの販売施策を可視化でき、モチベーションが上がったという声を現場からいただきました。


開発工数の短縮がもたらした、トラブルへのスピード対応

伊佐:順調に業務改善は進んでいるようですが、特にいまのスピーディーな開発スタイルのよさを実感できた印象深いエピソードがあれば、教えていただきたいです。

田中さん:店舗に配布しているPCの不具合がメーカーから知らされて、調査が必要になったときでしょうか。対応方針を話し合い、調査用にアンケートフォームを作成し、全店舗の状況把握までを1日で完了しました。店舗はすでにkintoneでの入力に慣れておりましたし、フォーマットをシステム上に作成していたので、提出される情報にブレがなかったのもスムーズに行えた勝因だったかと思われます。旧来のやり方ならば、まず全店に一斉メールして、○○店から連絡がこないから電話して......など、ストレスフルな対応になっていただろうと思います。

浅瀬石さん:開発工数が短縮できたことによって、対応スピードを上げられた瞬間でした。

システム部門は積極的な支援部隊へ

伊佐:今後、対面開発でやっていきたいことなどはありますか?

田中さん:マーケティングに使えるシステムの構築を検討しています。eデジタルギフトという、インターネット上で商品券をプレゼントする仕組みを弊社では利用できるのですが、その使用状況をkintone上で見られたらなと。eデジタルギフトで、どんなカテゴリの商品が売れたのか、店舗ごとの利用割合はどうかなどをグラフ化して見られれば、販売施策に生かせるのではと考えています。

 他にも、DataSpider連携を使用し、1時間ごとの売上速報をkintone上で簡単に確認できるようにしたいと思っています。

 また、店から店の情報共有機能がメールや電話以外ないので、情報共有の仕組みを整えることも検討しています。技術的な面ではcybozu developer networkなどを参照し、カスタマイズを積極的に行っていきたいと考えています。kintoneは簡単にフォームや一覧を作成することはできますが、そのままではユーザからの細かい要望にこたえきれないので、JavaScriptによる画面カスタマイズや、他サービスとの連携で補完していきたいです。

伊佐:それを情報システム部が提案するのはすごいですね。求められたことに対応する発想から、積極的に前線に向けた支援をするような印象を持ちました。システム開発のスピードが上がることで、情報システム部の動ける範囲が大きく広がっていくことを実感しました。

最後に

 「汗をかく情シスの現場」いかがでしたでしょうか?「対面開発」というシステム開発手法にフォーカスをあてて2社の情報システム部門にお話しを聞きましたが、次回はSI企業の観点でこの手法について聞いていきたいと思います。

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